記憶のないのは仕方ないけど寒いのはボクのせいじゃない
こんにちは。
介護のつぶやきです。
季節の変わり目で少し気温が下がって過ごしやすい季節になってまいりました。自分の感覚ではまだ毛布で過ごせるくらいの気温だと思いますが、昔から体感温度が低い方にはシビアな母親はこのくらいの気温になると大慌てで「寒い寒い」と言って着るものや毛布や掛け布団を要求します。
記憶はないのですが、こういうことは忘れず何度も要求があるので仕方なく圧縮袋に入れた冬の掛け布団を引っ張り出してシーツをかけます。すると少しでも早く欲しいのかシーツ掛けを手伝ってくれました。そしてその手伝っているときの表情は布団が手に入る嬉しさからかかなりほころんでおります。以前は尿漏れで臭いが付いて毎日変えていたシーツです。2枚しかなかったので洗っては干し洗っては干し、そして毎日布団にシーツをかける日々でした。夏の間は洗えるかけ布団だったので少しラクでした。とは言っても毎日洗って干す大変さはあるのですが
『前よりは今の方がラクになった』
と思う気持ちが前を向かせてくれます。冬よりは夏の方がラク、そして介護の終わった友人がシーツをくれました。そうすると雨で洗えなくても予備があるので慌てなくて済むだけラク。このホンの少しの気持ちの積み重ねが気分を軽くしてくれます。
シーツに入った掛け布団を母親のベッドの足元に置きました。夕方から晩御飯を娘に任せてライブに出かけていきましたので、寝るときに母親が使ってくれるものと思っておりました。
翌日の夜、今日は娘がお出かけなので晩御飯は母親と二人です。テレビでは日本シリーズの第一戦が始まって野球ファンの母親は喜んで観戦しています。そんな中、唐突に母親から一言。
「まー、寒いでよー、着布団出してくれんか」
うん?昨日用意した布団は?・・・ベッドにありません。なぜ??
「昨日シーツかけて準備したよね」
「知らん」
知らんわけないでしょ。あんなに喜んで手伝っていたのに。でも、見渡す限りありません。まさかと思って押し入れを開けてみたら・・・いました。キッチリたたんで。
「寒いと言いながらなんでしまったの?」
「知らん」
ケンカしても始まりません。でも、一言いいます。
「アンタシーツかけるの手伝ってくれたでしょ」
「知らん」
そうこうしているうちにテレビではヤクルトに点数が入って歓声が聞こえます。
「おー、ヤクルト強いなぁ」
そこはわかるのね。でも、また結果も忘れるんだろうね。昨日2枚使っていた毛布も一緒に使おうとしていたので「それは暑くなりすぎるからダメ」と言って取り上げて洗濯カゴに入れると「なんで取り上げる!」と怒りますが「暑くなりすぎるからダメだよ」と繰り返します。「なんでもワシの思うとおりにさせてくれん!」と手元に残った一枚の毛布と掛け布団をかけて怒りながら床につきました。
朝になって様子をうかがうと案の定毛布は外に出して掛け布団だけで寝ております。「だから言っただろう」と心の中ではつぶやきますが、口には出しません。ある程度聞き入れてあとは自分の思うとおりに介護する。それがお気楽介護のコツではないでしょうか?
まだまだそんなエラそうなことを言うのもなんですが、介護はまだまだ続きますから。
皆様もある程度は声に出してお気楽な介護を。