脳梗塞から10日め 先生のお話
こんにちは。
介護のつぶやきです。
介護時間が長いと家にいる時間が長くなりお菓子を作る時間も多くなります。今回はモンブランを作ってみました。
母親の入院先は完全看護で面会時間も短い。そうなると、家族は入院している当人の状況が全くつかめません。オムツやおしり拭きが足りない時に病室に持って行き立ち話で看護師さんに聞く程度しか情報がありません。その日はナースセンターに「現状を伺いたいのですが」とお伝えしたところ、電話でどこかとやり取りした後、
「先生が説明に参ります」
え”ワタシまた先生呼びつけちゃったの。と思っていたら先生がノートパソコン持ってお見えになりました。
「この1週間で筋力はかなり悪化しました。以前は車イスに自分で乗れる状況でしたが、マヒが悪化して右手は多少上げられる程度ですが、右足が上がりません」
あら~、そうですかー。
「でも、脳梗塞はこれ以上悪化しません。そして車イスの座位で10分程度保持することは可能です。食事も自分で(口元まで持って行って)食べることは出来ませんが、出されたものは全量食べています。飲み込むチカラはなんとか保たれていますね」
へえ~。
「MRI画像で脳幹の左側に血のカタマリがあります。右の手足の神経を司るところなので、モロにダメージを受けてしまうという感じですが、他に脳梗塞はなさそうですね」
なるほど。
「不整脈は無かったので、バイアスピリン(血液サラサラにする薬)というクスリを処方していくことになるのかなと。これを今後飲み続けて頂くのが良いのですが、でもこれで脳梗塞が再発しちゃうと厳しいかなぁと思います」
「クスリを飲み続けて頂き、車イスになんとか乗って介助があればゴハンも食べられる状況で残り数年維持できればという感じです」
そういう介助が必要であれば老健は難しいですね。
「そうですねぇ」
では、そのように老健へ連絡しなくては。『それは中京病院のケースワーカーの方から連絡して頂けるのでは?』とムスメが。
「老健様で入所判定会をして下さったのですが、どうも良い返事が得られなかったみたいですね。担当に連絡しておきますのでご連絡お待ち下さい」
よろしくお願いします。
あと、伺いたいのですが、介護度の区分変更を申請したいのですが、どれくらいの入院になりますかね?認定員の方に来て頂かなければいけないので。
「決まっていないのですが、次の療養先が決まるまででしょうかね。脳梗塞の点滴という医療行為は終わりました。いまは熱が出たのでそのための点滴は行っておりますが、一時的なものなので今後は飲み薬になります。あとはすべて飲み薬でまかなえる状態です」
なるほどです。
「脳梗塞は命に関わるなにかになるというよりは、脳梗塞が重なって、ADL(日常生活動作)が出来なくなって、生活のレベルが落ちる⇒栄養もとれなくなって最後を迎えるというところなのかな、と思います」
今年の4月にはナゴヤドーム行って応援していたんですよ。急にガクンと来るんですね。
「そうですよね。それがビックリですよね。でも、人ってこういう風になっていくんですよね」
老健で自分の手で箸を使ってご飯食べていた人が食べられなくなって、またガクンとなってそうやって終わりに近づいていくのかなぁ、と。
「そうなんです。思ったよりも早くって事もあるし、思ったよりも長くって事もある。そこはもう神のみぞ知るというところでしょうかね」
そうですね。
「でも、これは僕の勝手な想像ですが、お母様は生命力が強いので、食べられなくなってからも長生きするタイプかもしれません」
確かに。もの忘れ外来の先生にも『アルツハイマーは発症して10年するとみなさん亡くなります』と言われてましたが母親は10年目にはピンピンしていましたからねぇ。
「それはかなりスゴいです。なのでもうすでにガンバっていらっしゃいますので、今回の脳梗塞ぐらいはカスリ傷みたいなものかもしれませんね」
脳梗塞がカスリ傷の母親ってスゴイと思います。
「今後の治療は致命的な脳梗塞を発症させないというのが主体になります。また、なにかありましたら説明しますので言って下さいね」
91歳の母親の生命力に感服します。じぶんはそこまで元気に生きられるかしらん?
先生、本当によく分かる解説をありがとうございました。
では,皆様もムリせずお気楽に介護を。