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Webエンジニアから事業責任者になってみた上期振り返り

今年の3月から事業責任者として、新規事業開発に異動してみて感じたことを振り返っていこうと思います!
主な登場人物は、私・並走者・投資判断をする部長です。


なぜWebエンジニアから事業責任者?

今の会社では3年ほどWebエンジニアとして既存のプロダクトの改修や、新機能の実装などなどをしていました。
なぜ事業責任者にキャリアチェンジしたかというと、昨年の社内ビジコンで大賞を獲ったからです。

昨年年末の納会で大賞に選出されたときの写真

正直既存サービスとのシナジーも全くないので、選出されるわけないと思っていたのですが、まさかの大賞で事業化へ進みました。

そして当人が事業化させることを委任(新規事業開発に渡して異動しない)することもできるのですが、「そんなにないチャンスだから」という理由で3月に新規事業開発に異動となりました。

※ 今年からは委任できなくなったようです

事業責任者としての責任の重さ

弊社の新規事業に関しては、異動前から色んな意見を聞いていました。
「既存サービスのみだったらボーナス・給料もっと出てる」
「既存サービスの売上を新規事業に投資して潰れていってる」
「黒字になっている新規事業がない」
などなど…

同じ会社でも社員各々の認識は異なると知っていましたし、既存サービスの売上から自分の給料が支払われていることを何より感じていました。

「賞金出して投資して、また終わったか」と思われたくないという気持ちも強く、自分で何とかするという責任の強さは無意識にあったと思います。

大学生のときに学生起業を視野に入れたことがあったので「リーンスタートアップの要領でやっていけばそれなりの結果は出そう」と頭の中でロードマップは立てながら動いていました。

しかし、そのロードマップを言語化しないといけない、事業責任者としての説明責任に悩まされました。並走者と部長の方は推し活のことに関して前提知識はありませんし、推しているもの・ことはありません。
Webエンジニアをしているときと異なり、前提知識がある上での説明や合意形成ができない難しさに悩んでいました。

しかし事業開発において共通認識である目的・仮説・確かめることを説明できるように意識すると、私の考えていることが多少わかってもらえるようになってくることを学びました。

目的や仮説を考えるとき、絶対2軸の考えが浮かびます。
1. 顧客に価値が提供できるか?
2. 売上になるのか?黒字にさせられる?

この2つ両方を考えると矛盾していることが結構あり、説明をしても「目的がずれてる」と言われることがしばしばありました。

本来2. は無視するべきフェーズなのですが、既存サービスの部署で感じた、新規事業へのマイナスイメージを早く払拭したいという気持ちも強く、自分の中でとても葛藤をしていました。

あとは事業責任者1人と並走者1人という環境のため、開発・デザイン・SNS営業やマーケ・CS・事務作業を1人でこなさないといけない責任もありました。事業のすべてに1人で責任を持たないといけないと自覚したのが、4月頃だったと思います。

プロダクトができるまで

アンケートを展開し、興味を持ってもらった方にヒアリングを行い、ジョブ理論に基づいてジョブの抽出をし、LPで目標であった100名を超える事前登録者を集めた先がとても難しかった印象です。

「コードをいかに書かないか」「変数をいかに減らすか」というお話・方針から、必然的にグッズ交換代行・仲介というものを一時やっていましたが、LPから事前登録者の方々が想定していた内容とは大きく異なるアウトプットのため、協力していただける方がほぼいない状況となってしまい、一時前に進むことが困難となりました。

この状況を打破するには、事業責任者である私がジョブ理論をフル無視して、何かしら簡易的なプロダクトを短期間で開発しないといけなさそうだと考えました。

土日にKindleの本やZennの記事・本を参考にしつつ、UI/UXにこだわっている状況ではないので、よくあるフリマアプリのUI/UXにして機能は最低限交換ができるように寄せるという突貫開発をしていました。

ここではハッカソンの経験が活きたなあと実感できました(徹夜で開発していた)

土日に開発したものを部長と並走者の方に見せ、LPにて事前登録いただいた方に対して体験版(α版)としてリリースする運びとなりました。

上記体験版で使っている主な技術スタックは、Ruby, Rails, JS, Herokuという感じです。(今後諸々変えていく予定です)

広く知ってもらうためにどうするか

リリースした後に色々調べると、同様のサービスを様々な企業がリリースしているが、ほとんどクローズしていることがわかりました。

そもそも私自身サービスを知らなかったり、ヒアリングでもX・メルカリ・Yahooフリマしか主に名前が出てこない状況なので「シンプルに知名度がなくて使われずにサ終している可能性」「課題が実はそこまで大きくない可能性」を感じました。

推し活というものはあくまで趣味ではあり、衣食住のように人間みんなが必ず通る活動ではないということも起因していそうだと考えられました。
(部長・並走者ともに特に推しがいない状況というのも物語っているかと)

このような状況で知名度を上げるには「交換したい商品」をまず増やすこと・出品いただいた商品の成立スピードを上げることが大事だと思いました。交換したい商品が存在しない・交換成立しないでは無料でもいくら価値があっても、登録をしてくれるわけがないからです。(私自身も見て閉じると思います)

幸運にもこの頃、別部署で推し活をしている1名の方にとても応援していただき、心理的に救われることがありました。ただ、並走者の方は推しているものが特にないため、商品を出品できる社員は私と応援していただいている1名の方しかおらず、当初坂道系グループの生写真に偏っていました。

偏ってはいても、逆に特化していることもあって坂道の生写真を集めている人の自然流入は起き、今も取引をしていただけている方が多くいらっしゃいます。

あとは、ひな誕祭などイベントでQRコードを持って足で稼いだ分もあるかと思います。そんなこんなで出品者が2名の社員だけの状況から、一般の方も多く流入される状況のサービスとなれました。

今後のこと

LPに書いているような課題感を持っている人は、女性アイドル界隈だけではなく様々な界隈で存在する課題感だとヒアリングをして確信しています。Xにて「注意喚起」や「人探し」というポストが流れていることが証明しているとも言えます。

またXにて交換があまり盛んではないが、需要のあるランダムグッズの交換も促進できればとても嬉しいなと思っています。(正直阪神など野球選手の缶バッチが出品されることはありがたい想定外でした)

ある意味、昔からXで交換をしている方々の生活様式を変えることなので簡単に大幅な乗り換えが起こるとは思えませんが、Xでのリスクや面倒事を少しでも減らせるようにtrocならではの価値を出していければと思います。

最後に

社内起業のような形なので、「社内の人みんなで商品を買っているのでは?」などと思われるかと思いますが、ほぼほぼ私1人で調達を行っています。あとは主にXから自然流入されてきた方々が出品されています。

社内の人を既存サービスほど成功するかわからない新規事業に割くリソースはないのです。

また、プログラミングが何かを開発する手段だと考えるのと同じで、ビジネスにおいても数多あるFWや理論は手段でしかなく、過信しすぎないことを学びました。「絶対このFW・理論に従えば成功する!」というものがあるなら、誰も苦労せずスタートアップはみんな成功していると思います。

最近既存サービスのときのように開発をしつつ、要望を聞いて開発工数を出して、優先度などどうするか考え、合意形成して開発を進めるという開発ディレクターやPdMのような働き方・動き方がいかに自分に合っていたかということを考えることや、これからのキャリアをどうするか考えることや不安も少なからずありますが、引き続き自分のために答えを出して、前進をしていこうと思います。

以上、事業責任者になってみた振り返りでした。
ここまで駄文を読んでいただき、ありがとうございました!!

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fuku
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