リュート・右手の秘密
まずは「Go from my window」をお聴きください。作者不詳ヴァージョンとT.Robinson作曲のものを組み合わせています。演奏者自身のアレンジの部分が少しだけあります。
おやすみリュートの動画をみて感想いただきました。
「リュートは右手の奏法がクラシックギターと違うのですね。」
リュートは右手の小指を表面版につけて演奏します。基本的には親指、人差し指、中指の3本を使って弾いています。親指が強い指、人差し指が弱い指、中指は強い、もしくは中くらいの指となっています。薬指はとても弱い指という認識です。ですから和音を弾いた時に一番上のメロディとなる音を薬指で弾かないようにしています。
和音が3つの音の時は親指・人差し指・中指を使えば良いので問題ありません。4つ以上あるときにどのように弾くかがレッスンのポイントです。今回「おやすみリュート」で演奏している「Go from my window」のテーマはこの3本指で4つ以上の和音弾く練習にちょうど良い曲になります。
こちらが「Go from my window」のテーマの楽譜になります。
「私、五線譜が読めないから楽器は弾けないと思います。」という方にはリュートをお薦めします。リュートは「タブラチュア譜」というどこを押さえて弾くかを表した楽譜を使います。初めてみた方は難しそうに見えますが、慣れると五線譜より楽にすぐに弾けるようになります。
リュートマニア ★☆☆
右手の記号について
リュートの3本指奏法について
こうした奏法についての説明は、文章ではわかりにくいと思うのでレッスンビデオをアップしますので興味のある方はご覧ください。
Ⓐ 1小節の3拍目のファの和音の弾き方 クラシックギターのように親指・人差し指・中指・薬指を使う場合は一般的にはそのまま4つの音を弾くことが一般的です。
*リュートは複弦なのでコースという数え方をします。高音(細い弦)から1コース・2コースと数えます。
このⒶの弾き方、リュートでは4種類を使い分けます。
1.親指で全部弾く(ギターも使う)
2.親指が4コース・3コースを弾き、人差し指が2コース、中指が1コースを弾く
3.親指が4コースから2コースまで弾いて1コースを中指で弾く
4. 親指が4コース 人差し指が2コースと3コースを弾き、中指が1コースを弾く
この4番目の奏法がリュートならでは奏法といえます。これをマスターすることがリュートらしく和音を弾くためには大切です。
特にⒷ4拍目の和音はリュートの3本指奏法ではこの4の弾き方が必要です。親指が低音の5コース 人差し指は2コースと3コース 中指が1コースを弾きます。人差し指は2コースから3コースに滑るように弾くことがコツです。なでる感じです。
Ⓒ3小節の1拍目の和音がリュートでは問題です。弾きにくくなります。ギターのように4本指を使えば簡単です。リュートでは6コースを親指、4コースを人差し指、2コースと1コースを中指で弾きます。これをほぼ同時にできるようになるには少し練習が必要です。中指を滑らして2本弾くのは人差し指で2本弾くより難しいです。
他にもⒹ4小節1拍の裏の3つの音は裏拍なので人差し指だけで1コースほうから3コースの方は滑らして弾いたりもします。とても軽い音になります。
また、機会があればリュートの「フィゲタ奏法」親指と人差し指を交互に弾く奏法についても書いてみたいと思います。Youtubeの演奏を右手に注目して聞いてみるのもちょっとリュートマニア的でお薦めです。