とりあえず、福井のお寺まで座禅しに行ってみた感想
都内から、朝7時過ぎの電車に乗って、新幹線を経由し、福井の永平寺まで行ってきた。
もともと、なんとなく座禅に興味があったので、ちょうど時間あるし、一回やってみようと思いたったのが、大体、2週間くらい前。
そこから、お寺に電話して、予約に必要な書類が届いて、それを返送してという手順。
お寺までは、新幹線でだいたい4時間位。ちょっと高くて、1万5千円くらいした。
福井駅から出ている永平寺行きのバスに乗り、約30分ほどでこの永平寺へ到着。
自分も行くまで知らなかったのだが、大晦日に紅白が終わった後にやる、行く年来る年っていう番組で、鐘がつかれるのが実はこの永平寺。
着いたら早速、修行僧の方が部屋まで案内してくれて、お風呂へ。
部屋は一人には広すぎる約18畳。自然にも囲まれているし、贅沢だった。
そして、薬石と言われる夕食を食べた。部屋で何も音がない状況で一人でご飯を食べるって、新鮮だし、一方で、ちょっとさみしくもあった。
その後は、お待ちかねの座禅タイム。
座布というクッションみたいなものを使って、座を組むか正座をする。
壁際に向かって、目を下斜め45度の方向に向ける。
目は開けたまま、ただただ、鼻呼吸の息に集中する。
その前には身体を左右に振り子のように動かしながら呼吸を整えたりもする。
終わったときも同様だ。
やってみて、カナリ雑念が入ってしまうことがわかった。
これを平然とやり遂げてしまう人たちはすごいなぁ。
その後は、和尚さんによる、法話の時間。
堅苦しい昔話かなと思っていたのだが、そうではなく、ためになるお話だった。
ポイントは大きく2点。
座禅の効用
脳波が安定する。
ポジティブな意識(ドーパミン)とネガティブな意識のバランスを整えるセロトニンを活性化してくれるらしい。
座禅自体、修行に終わりはないとか。
人生にとって大切なことは人助け
他人を助けるのが大人の定義であり、その行為を通して、人は幸せになるという話。
例が素敵で、地獄と天国があって、赤鬼と青鬼が、2つの部屋を見せてくれるという話。
いずれも、大きな扉の先に部屋があり、その中にシャンデリアがあって、そのしたに豪華な食事が並んでいる場所だという。
テーブルにはたくさんの人が椅子に座っている。
ただ、みんな左足をテーブルに結わえつけられて、右手に2メートルほどのスプーンがとりつけられている。
この状況は地獄も天国も全く一緒。
まず、地獄の部屋へと案内される。
地獄にいる人達は、痩せこけてとても不幸せそうである。
なぜか?
地獄の人は自分が食べようと頑張るのだが、どうしてもスプーンが大きすぎて自分の口に届かず、食べられない。
目の前に美味しい料理があるにもかかわらず、食べられずにストレスが溜まっているのだ。
次に、天国の部屋へ。
天国にいる人達はみんな楽しそうで、キラキラしている。
なぜか?
天国の人は、自分ではなく、長いスプーンを活かして、他の人に食べさせてあげているのだ。
だから、逆に相手も自分に食べさせてくれる。
みんなの思いやりの精神で、みんなが豪華の食事を食べられているという状態。
それでみんな幸せというお話だ。
その場の雰囲気もあったが、妙に納得してしまった。
その後、永平寺の修行僧のビデオをみた。
大講堂っていう広い畳の上で、隣に小学生の団体がいる中で、話を聞いたり、ビデオをみたりするっていうのが、新鮮でありつつ、懐かしいなって思った。
また、同じ体験修行の人と話したとき、すごく嬉しかった。
やっぱり、人と知り合えたときの喜びが半端ない!
ただ、今回みたいなときは、あえて一人でストイックに過ごすのが大切なのだろうなとも思った。
そして、21時に就寝だ。
今回は、幸か不幸か電源を忘れてしまったのだが、ケータイを充電する環境は整っていた。
振り返ってみると、こういうところに泊まった時は、ケータイは使えないほうが良いなと思う。
静かの夜をただただ過ごすのも時には大切。
翌朝は、3時に起床。
時間になると、修行僧が起こしに来てくれる。ありがたや。
洗面や歯磨きなどを済ませたのち、早速朝の座禅。
前夜の座禅部屋とは違って、今度は実際に修行僧が座禅をするところで行った。
やはり、座禅は難しい。眠気もあり、前夜以上に集中できなかったので、合掌をして合図し、竹刀みたいなもので肩を叩いてもらった。
体験だったせいもあってか、あまり痛くなかった。
その後は、一旦部屋に戻り、朝課といわれる朝の法要。
寺にゆかりのある二人の偉大な人物に対して、焼香を行った。
その場は、毎朝の修行僧の修行の場にもなっており、100人近くの修行僧と和尚が大きな仏像の前でお経を読み続けていた。
何とも言えないすごい迫力。
これを毎日やっていると言うのだから、驚きである。
1時間位かかったのだが、自分たちのような体験修行者は正座ではなく、楽な姿勢で良いと言われた。
こういったところからも、永平寺の配慮が感じられた。
そして、館内散策。
普通じゃ入れないような場所も、修行僧の方が丁寧に紹介してくれた。
やはり、ただ見るだけではなく、歴史的背景の説明を聞くと、見方も変わってくる。
そのまま部屋に戻り、7時ごろから、小食という朝食を食べる。
本来、小食はおかゆと漬物と梅干しと味噌汁だけらしい。
自分たちはお客さま待遇で、薬石に近い色とりどりの料理だった。
食事を終えたら、後は身仕度をして、お寺を出る。
大変お世話になりましたっ!!!
お寺を出た後は、たまたま座禅でご一緒させてもらった方が福井にお住まいで、名所を案内してくれるというので、お言葉に甘える。
2つの場所に連れて行ってもらった。
サスペンスとかの崖スポットで有名な東尋坊。
朝10時前であるにもかかわらず、沢山の観光客がいた。
崖に向かう前には海鮮物のお店がたくさんあり、賑わっていた。
そして、鯖江市にあるメガネミュージアム。
実は、鯖江市が日本のメガネ生産の95%を占めているとか。
販売店と、体験教室、歴史紹介のミュージアムがあった。
トイレのマークにまでメガネが着いている徹底ぶりには恐れ入った。
最後は、計らずとも、刺身定食をご馳走になってしまった。
この方は、かつて旅をしたときに、多くの人に宿や食事をお世話になり、
「お礼は要らないから、次に出会った誰かに親切にしてあげて」
と言われたらしい。
その、次に出会った誰かが自分だったようだ。
だから、今回の件も気にしないで欲しいと。
かっこいいなぁ!!
自分もこういう大人になりたいと思った。
次に旅先であった人には、しっかりと親切にしていきたい。
おかげさまで、今回の旅がただのプチ修行ではなく、福井観光にもなった。
帰りは、福井駅から出ている新宿駅行きの夜行バスを20時に出発。
正直、夜の夜行バスは結構辛い。11時間にも及ぶ長旅。
朝の7時に都内につき、無事プチ修行を終えた。
敷居が高いものだと思っていたが、連休があれば、案外さらっとできるのだなと。
いい経験だった。
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