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死ねない時代の哲学

令和元年に出版された本であるが、現代医療の発展が、死ねない時代を生み、日本人の死に方を考える上で、ぜひとも読んでおきたい本である。
 父君がお医者さんであり、息子である村上氏に継いで欲しい気持ちだったが、人の命を預かる医者としての覚悟を父から問われたとき、その覚悟が出来なかった著者が、今後日本人が死に際し、どう覚悟を決めなければならないのか、その方法をさりげなく示唆してくれている。
 科学哲学者という肩書きは流石でした。
 それでも、著者が後書きで書いているが、この本が世に出る時、適切に支援してくれた佐久間文子さんへの感謝の念である。
 最後に、死の判定を法的に任されたお医者さんが心置きなくクライアントをあの世へ送れるような枠組みを日本社会がしっかり考えなければならいと思いました。
内容
第1章 なぜ「死ねない」のか
第2章 日本人の死生観
第3章 死は自己決定できるか
第4章 医療資源・経済と安楽死
最終章 死を準備する

でした。

村上陽一郎

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クラちゃん
嬉しい限りです。今後ともよろしくお願いします。