見出し画像

般若心経入門

第二章 人の痛みと自分の痛み
 苦しみを体験してわかる他者の痛み
 
早離(観世音菩薩)&即離(勢至菩薩)

二人は悪い人にだまされ、狭い孤島で果てる。

『南伝太藏経』のシリーズの『華厳経』に見る悲しくて美しい説話
場所:補陀落山

兄 早離の言葉
「わたしもはじめは世を呪い、人を怨んだが、この離れ小島ではどうにもならぬ。ただ身をもって学んだことは、親に早くわかれ、人にだまされることの悲しさと、飢えと疲れの苦しさである。
 されば、つぎにこの世に生まれてくるときは、この苦悩の体験を縁として、同じ悲運に泣く人たちを救ってゆこう。
 他をなぐさめることが、自分がなぐさめられる道理であることを、われわれは学んだではないか」と。

「供養」
 私たちは、大きな眼をひらいてみると、自分のまわりの誰彼から、何らかの恵みを受けて生きているのです。
 ときには、自分に辛く、意地悪く当たる、という逆のかたちで表われる冷たい恩恵もあります。
 それを、温かにして人々に返すところに、怨みが昇華(ある状態から、さらに高度の状態へ飛躍すること)されて、すばらしい慈愛に変わります。
 かくて、自分も他人もともに救われるのです。
 それを仏教では「供養」といいます。

般若心経入門 松原泰道:頁104~頁107
抜粋引用

いいなと思ったら応援しよう!

クラちゃん
嬉しい限りです。今後ともよろしくお願いします。