tontonと夏休み
今年の夏休みは、夫婦揃って少し長めに取ることができた。
その夏休みのうち3泊4日は私の実家で、同時期に帰省していた妹家族と一緒に過ごしてきた。
妹家族には、5歳になる長女と6月に生まれたばかりの次女の2人の娘がいる。
5歳の姪は夫のことが大好きでたまらないらしく、会えば「トントン~!」と夫の元へ飛んでいく。
(※トントン:tonton=フランス語で「おじさん」。妹夫婦は仏日カップルのため姪は日本語とフランス語を同じくらい操り、私のことは「タタ:tata(仏語でおばさん)」と呼んでいる。)
私のことも大好きだと言ってくれるけど、夫への愛の方が大きいのではないかと感じるのは、姪との遊び方が私よりも上手いからだと思う。
「遊び方が上手」というよりも「本気で遊んでいる」という表現の方が正しいのかもしれない。
私も周りの友達からこどもと遊ぶことが上手と言われることがあるが、私は「この子の場合は、こう対応した方が正解かな?」とつい余計な気を回してしまったりすることがある。夫の場合は、おそらくその「忖度」が少ないのだ。
オセロなどのボードゲームをしている時は、姪が飽きない且つ頭を使えるように、ヒントを与えてみたり本人に気づかれないようにわざと負けたりしているようだが、体を使って遊んでいる時は本気ではしゃいでいるようにしか見えない。
きっと姪にその本気が伝わっているのだろう。
どこで覚えてきたのか、夫のことを「相棒~!」と呼んだこともあった。
今年の夏休みも、夫は姪と思いっきり遊んでいた。
花火をしたり、泳げない私や妹に代わって義弟と一緒にプールへ連れていったり、姪が入りたいと言った忍者村のカラクリ屋敷で小一時間ほど二人で奮闘してみたり。(大人でも難易度が高いらしく、結局出口からでることは諦め入口からでてきたらしい。)
妹ができて嬉しそうだけど少し寂しそうだった姪を、心の底から笑わせたい気持ちがあったのだと思う。
姪は出かけるときに、パパママと一緒に父が運転する車に乗るのではなく、私たち夫婦が乗っている車に乗りたがることが多かった。
ママを独り占めできなくなってしまったから、ひとまず私たち夫婦を独り占めしたかったのかもしれないし、私たちはそれに応えてあげたいと思っていた。
(まだほわほわしている2番目の姪もかわいくて仕方なかったのだけど……。)
姪と楽しそうに遊ぶ様子をみていると、夫はいい父親になれたんだろうな……と思うことがある。
なれないものを想像しても仕方がないので、きっと1年のうちの数日だからであって毎日一緒にいたら愚痴をこぼし出すに違いない、などと意地悪な発想に切り替えたりしているが(そうしないと切なさで耐えられなくなってしまうから)、姪の存在がとても大きなものであることは事実。
すぐに会える距離で暮らしていないから1年のうち会えるのは数回だけど、愛情を惜しみなく注げる人がいることに、私たち夫婦は救われている。
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