いつかの憧れを手にした日
桜が満開に咲いていた頃。
近所の桜並木の近くで、豊かな白髪のご婦人が山葡萄のかごバッグを持って歩く後ろ姿を見かけた。
つややかで美しく、まるで革のような山葡萄らしい経年変化を遂げているその姿を見て、きっと彼女に長年連れ添ってきたんだろうと思い、その年月にも思いを馳せた。
山仕事の籠などにも使われてきた山葡萄は、とても丈夫で雨に濡れても問題なく、真竹のかごバッグなどより多少乱雑に扱っても大丈夫なんだそう。
もう数年通っている、審美眼に優れたオーナーが運営されているギャラリーで