お気に入りになった公園

４年前に引っ越してきた家の窓から、
大きな公園が見えます。

その公園は、私が子どもの頃から
治安が悪いと噂になっていました。
噂が気にかかり、その公園を
散歩しょうと思ったことは
今までありませんでした。

公園の周りにはイチョウの木が
植えられていて、黄色く色づく頃には
車で公園横を走る度に、
「ああなんて綺麗なんだろう」
と思っていました。

11月に入りイチョウ並木は葉が落ちて、
一面黄色い絨毯のようになりました。
その日は、治安が悪いという噂よりも、
「あの綺麗なイチョウの
葉っぱの上を歩いてみたい！」
という気持ちの方が強くて、
朝の８時に私は公園に行ったのでした。

眩しいほどの黄色い落ち葉の絨毯は、
木から落ちたばかりで、踏むと
フワフワして感触が本当に
絨毯みたいで気持ちが良かったです。
美しいイチョウの絨毯、
歩きたかった場所を歩けることの嬉しさで、
治安が悪いかも？という不安は
忘れ、満足するまで
落ち葉の上を歩きました。

今では散歩しなかったのを惜しむように、
時間を見つけては公園に行っています。

何度か散歩をして分かったのですが、
イチョウだけでなくプラタナス、
白樺、ポプラ、ミズナラ、いちい、
松などの木が植えられていました。
ドングリや赤いおんこの実、
プラタナスの実、松ぼっくりなど、
私が好きな木の実たちも
たくさん見ることができます。

治安が悪いという噂の公園は、
今では私のお気に入りの公園になりました。

としみ