楽しいウソって悪くないかも
エイプリルフール
4月1日は「ウソをついて楽しむ日」ですが、
やってみたことはほとんどありませんでした。
結婚して間もない頃,1度試してみたのですが、
最初からウソがバレバレで失敗に終わり、
その後は「私には関係のない日」と思っていました。
ウソをついている時って、怒られそうな気がして、
ドキドキしてぎこちなくなってしまうんです。
そんな私ですが、今年は
「エイプリルフールにウソをついて、夫を笑わせる」
ことにチャレンジしてみよう、と思い立ちました。
ところがやっぱり、思考が止まったようになって、
意地悪な笑えないウソしか思いつきません。
そこで、
「考えても考えても、上手くいかない気がする」と、
「親の時間」の仲間に聞いてもらったのです。
そうしたら、子どもの頃のこんな出来事を
思い出しました。
私の弟は小学1年生の時に、
体調を崩して入院したことがあります。
丁度小さな町に引っ越して間もない頃で、
親戚や知り合いも近くにいなかったので、
母は大変そうでした。
ようやく弟が退院してきて、
家で薬を飲むことになったのですが、嫌がるので、
母は私に「砂糖を持ってきて」と頼みました。
私は私で、母の疲れ切ってこわばったような顔を見て、
何とかしたいと思っていました。
そして、砂糖の代わりにこっそり塩を薬に混ぜて、
しょっぱくて弟がうぇ~っとなったら、
母さんも一緒にみんなで笑えて、
元気が出るかもしれない、と思いついたのです。
母が、弟はすっかり元気で、
病院の中で飛び回っているのに、まだ退院できないと
話していたのを聞いていたので、
薬なんか飲まなくても大丈夫な気がしたのです。
ところが母の目はごまかせません。すぐにバレて、
「薬が無駄になるところだった!」と、
ひどく怒られてしまいました。
この時のことを聞いてもらっていたら、
母を笑わせたくてウソをついたのに、
大失敗してしまい、すごくがっかりしたこと、
悲しかったことを思いだし、
自分でもびっくりするくらい泣けました。
そして改めて、子どもの頃,どんなに母の元気な
笑顔を見たかったかを思い出しました。
私がウソをついたのも、
そのためだったと気がついたのです。
それから、
「楽しいウソをついて人を笑わせるのは、
結構楽くていいことかもしれない。
それは、私にも出来るかもしれない」
と思えてきたのです。
今年のエイプリルフールは、ちょっと成功でした。
夫はクスクス笑って「俺も考えとけばよかったな」
と言ったを聞いて、私は嬉しくなりました。
今年は、上手くいったので
「来年は爆笑させられるかもしれない」
と気も大きくなりました。
そして、もし失敗したとしても大丈夫。
がっかりした気持ちを聞いてもらえば、
きっとまたチャレンジする勇気が湧いてくるはずです。
いっこ
※この文章は2014年4月に書かれたものです