【詩】丘の上の教会
朝市を終えた港は
静かな波の音で満たされている
ミャーミャーと
寝ぼけた海猫がふらふらと宙を舞う
平日だというのを忘れてしまうくらい
のろのろと道の真ん中を
路面電車が行く
ふと振り返ると
もう港が小さくなっている
丘を登りきり
教会の扉を開ける
カラフルなガラス細工がはめ込まれた
四方を囲む窓は
光を限りなく優しく飽和させ
異邦人を優しく包みこむ
ここではどこから来たのなどと
だれも聞かない
ここでなにをしているのなどと
だれも聞かない
函館は
きっと今日も優しく
1日を終えるのだろう
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