【詩】 白雨
もう
あなたの声も
あなたの顔も
あなたの匂いも
あなたが好きだった季節も
あなたの好きだった食べ物も
あなたが好きだと言ってくれた私と一緒に
一つも思い出さなくなりました
あなたとの思い出に季節はありません
汗ばむ夏も震える冬も
体温だけで語り合ってきたから
身体ではなくてもっと言葉を交わせたら
あなたの孤独に寄り添えたのでしょうか
あなたに受け取って欲しかったのは
お金でも身体でも時間でもなくて
心だったのに
大切な人ができました
私のことを叱ってくれて
明日の約束をするよりも今日を大事にしてくれて
きちんと言葉を交わしてくれて
私なんて必要ないほど自立して生きている人です
たくさんの私を探し出してくれるこの人の
毎日に少しでも幸せが溢れますように
私は私らしくいようと思えます
ふと思い出したんです
今日は幸せにすることができなかったあなたの
生まれた日だったことを
明るい空から降ってくる白雨を浴びたように
でももうこれを最後にあなたの影とお別れします
もうあなたの幸せを祈るのも最後にするね
今までありがとう
貴重な時間をいただきありがとうございます。コメントが何よりの励みになります。いただいた時間に恥じぬよう、文章を綴っていきたいと思います。