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ハッピー環境をつくろう / 2025年ウェル・ビーイング座談会(フルバージョン・後編)
あずき:新春特別座談会2025。今年は、ウェル・ビーイングがテーマです(2024年はこちらから「2024年大予測座談会」)。
前半では、ウェル・ビーイングとは何か、同好会の活動を通じて、「幸せを創る」ことがテーマになりました。中編では、同好会活動を通じて変わったことについて、主に、視野の広がりと、人とのつながりについて考えました。今回は、活動とお役立ち道との関連についてお伺いします。よろしくお願いします。
一同:よろしくお願いします。
※こちらは、フルバージョンです。短縮バージョン(動画&テキスト)は、サイト「お役立ち道ねっと」で掲載しています。 ⇒ お役立ち道ねっとの記事(外部リンク)へ
誰かの・何かの役に立つことが幸せ
あずき:お二人のお役立ちイメージと、ウェル・ビーイング同好会との活動の接点について教えてください。
けいと:私のお役立ちイメージは、「社内の人が、自分の本来業務に集中できるような状況を作ること」です。私は、経費精算の仕事を主にしているので、ライン部門の皆様が、本来業務ではない事務処理業務をやってくださっているという感謝の気持ちがあります。この時間をどれだけ減らすことが重要なのかなと考えながら日常業務をやっています。ウェル・ビーイング(幸福学)とお役立ち道の接点といえば、まずはお役立ち道でいう「誰かの何かの役に立つという喜び」が自分の中にあって、さらに幸福学を学ぶことでパワーアップしてやる気が出てきます。
ゆーりママ:素晴らしい。
けいと:幸福学には、幸福には4つの因子があります。
①やってみよう因子 ー自己実現と成長の因子ー
強みがあると幸せ、成長実感があると幸せ、自己実現すると幸せ、など。
②ありがとう因子 ーつながりと感謝の因子ー
人に喜んでもらえると幸せ、愛情を感じると幸せ、感謝をすると幸せ、など。
③なんとかなる因子 ー前向きと楽観の因子ー
楽観性があると幸せ、気持ちの切り替えが出来ると幸せ、など。
④ありのままに因子 ー独立と自分らしさの因子ー
人と比較しないと幸せ、自分らしくいられると幸せ、など。
けいと:その中で、「やってみよう因子」というのがあり、お役立ちイメージを実現できるように力をつけて、自分も精算業務を行っている社員も、もっと業務に集中できるような状況を作りたいです。そして、皆さんが少しでも事務作業の時間が減り本来業務に集中して、その先のお客様にお役立ちする時間が増えれば、みんながとても楽になると考えています。自分もですが、お互いのことを考える時間を増やしたりしたいなと思います。
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あずき:けいとさんが普段考えてることや業務でやろうとしてること、社内で発信していることが、こういう風につながっているんだなというのが分かりました。
けいと:はい。
あずき:幸せの4つの因子でいえば、ジェック社内の全社会議の場で、前野隆司先生がご講演をしていただいたとき(2022年12月)に、お役立ち道と「ありがとう因子」を結び付けて、「幸せな人は利他的。お役立ちですね。心から思えている人は幸せ。そうじゃないと自己犠牲になってしまう」とおっしゃいましたね。
けいと:はい。「ありがとう因子」で「誰かの・何かのお役に立ちたい」と思って、「やってみよう因子」で実践したら、自己犠牲ではなく、結果的に私が幸せになるというのが、本当にうれしいなと思います。
あずき:まりさん、いかがですか。
まり:私は「接点のある人たちに、“助かった”“良かった”と思ってもらえるようなお役立ちをしたい」と考えています。お役に立った結果「ありがとう」「助かった」と言われると自分が嬉しくなって、「そんなことないよ」「とんでもないよ」と返したりして、そういった環境やその時の気持ちを味わいたい、というのがお役立ちイメージです。
ゆーりママ:これも素晴らしい。
まり:ウェル・ビーイングを学ぶことによって私自身が変わると、私に対して「そんな一面があったんだ(自分が思っていた人と違うんだ)」と新しい発見をしてもらえる。そうすると、これまで接点のなかった人とも接点が増えると思うんです。接点が増えるということは自分がお役に立ちたいという環境機会がどんどん増えていくので、お役に立って、楽しくなって、嬉しくなって、という良いサイクルが沢山回って、自分が楽しく、幸せになるんじゃないかなと思っています。今の職場で、自分はちょっと異質かなという感覚があるのですが、そんな風に良いサイクルを回して面白い毎日が過ごせたらいいなと思います。
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あずき:私も異質ですよ~。
まり:ですよね~(笑)
ハッピー環境をプロデュースする
ゆーりママ:私には影響を受けた書籍がありまして、『アンソニー・ロビンズの運命を動かす』(アンソニー・ロビンズ, 本田健訳, 三笠書房, 2014)と『アンソニー・ロビンズの自分を磨く』(アンソニー・ロビンズ, 本田健訳, 三笠書房, 2014)なんですが、これを読んだ時に、行動すれば幸せになれるんだと思って、まず自分から何でもやっていこうっていう気持ちになりました。自分が幸せになるために、まず周りも幸せにしようっていう。周りが幸せだったら、自然と自分も笑顔になれるなと思って。
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けいと:素敵です。
ゆーりママ:例えば、舞台を演出する時に、演者やスタッフにとって演出家ってやっぱ怖い存在じゃないですか。全権握っているように思われているし、ダメ出しするし、さらに僕の宣材写真も黒くて怖いみたいで…。
あずき:たしかに、あの写真はかっこいいけどちょっと怖い人にも思えます。(笑)
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ママ:(笑) そういうのを全部撤廃したんです。稽古の初日なんか、みなさんどんな怖い演出家が来るのだろうとドキドキして待ってらっしゃるところに、ドアをパーンとあけて「おはようございます! よろしくお願いします! ゆーりでございます」って言って、「さあ盛り上げてまいりましょうか!」って。演出の仕方も、ダメを出すんじゃなくて、良いを伸ばすという考え方で、「これいいですね。ここをこういう風に盛り上げていったらもっとかっこよくなると思いますよ」って。そしてみんながハッピーになったら自分もハッピーだなって。そういうハッピー環境づくりというのは欠かさないようにしています。
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あずき:すごいな。ハッピー環境づくりっていい言葉ですね。
ゆーりママ:けいとさんとまりさんがやろうとしていること、お役に立とうとしていることも、ハッピー環境づくりだと思うんですね。
けいと:ハッピーの種を撒き続けるのが大事ですよね。
まり:ハッピー環境をつくってもらうのではなく、自らプロデュースしてつくるということですね。
リーダーの条件-良い笑顔と良い環境
まり:自分が所属しているチームでは「生産性を上げる」というのがテーマにあって、どう仕組みを作ろうかと考えています。仕組みそのものがゆーりママのいうハッピー環境につながるのかなと思うんですが、今こういう状態だから、ここを目指したいんだけど、じゃあ今何ができるかなとあれこれ考えて、なかなか結論が出ない。考えている私たちがハッピーじゃない。難しいなと。
ゆーりママ:仕組み作りは本当に難しい。僕はブレストで出たやつを全部やる。アイデアが出た段階で、これは難しいとか、これは受け入れられないとか、ひどいときは前例にないからとか、普通は却下されることが多いと思うんですね。そうすると、「こんなの受け入れられないだろうな」って引っ込めたり、アイデアすら思いついても出さなくなってしまうようになる。でも僕は、大体やっちゃう。するとみんな安心する。ダメなアイデアはやっているうちに消えるって思ってるんで。自然に消えて、良いアイデアが残るので、あ、これは言わないですけどね。とにかく全部やっちゃいましょうと。常に笑顔でね。
けいと:良い笑顔と良い環境は、やろうっていう気持ちにさせてくれるから大事。
ゆーりママ:舞台で、現場監督みたいな人間がニコニコニコニコ笑ってたら、みんなも悲壮感が減っていきます。大丈夫なんだ。やっていいんだ。そして、やりすぎちゃったかなってなったら、笑顔で真っ先に喜ぶ。失敗したら何より誰よりも笑うっていう。そうやって、プレッシャーが減っていく。
あずき:それリーダーとしても必要かもしれないですよね。そうやって笑って環境を作っていくっていうのは。
ゆーりママ:危険なこと以外は叱らない。危険なことだったら、それは厳しく叱りますけども。それは、愛情がちゃんと伝わっているという状態なので。そして、叱ったらちゃんとフォローする。
まり:周りが安心しますもんね。
ゆーりママ:どんな難しいことでも笑顔でやる。そして、ちゃんと進んでることが大事。巨大な月へ進むロケットだって、1本の鉛筆で書かれた線図からできているんだよって。その一歩が大事。
けいと:ゆーりママが最初に言っていた「まずはやる。ゼロから脱出する(前編)」というのと同じですよね。
ゆーりママ:そう。今日あなたがこのドアを開けた時点で君はもう勝ったんだと。
あずき:じゃあ、私たちも勝ち組ですね。この場にいるっていうこと。
ゆーりママ:超勝ち組です。
あずき:お二人が、ウェル・ビーイング同好会を始めたと聞いた時、なぜこのお二人なのかなと思っていたのですが、今回その謎が解き明かされてすっきりいたしました。ウェル・ビーイングは、自分がハッピーで、周りもハッピーになって、ハッピーな社会づくりにつながることと、このシリーズの最初にまりさんに教えていただきました。前野隆司先生のお言葉を何度もお借りして恐縮なんですが、「皆、世界平和のために働いている、と思えば幸せではないですか。」(『行動人 2018年春号(現在休刊中)』 前野先生へのインタビュー記事, p.18, ジェック)とおっしゃったように、この同好会活動が社会に広がって、世界平和につながる一歩になることを応援しています。ゆーりママもたくさんありがとうございました。
ゆーりママ:大変お騒がせいたしました。
まり:貴重なお話ありがとうございます。おもしろかったです。
けいと:お会いできてうれしかったです。
あずき:今日は本当にありがとうございました。
一同:ありがとうございました。
おわり
*日本のウェル・ビーイング研究の第一人者である前野隆司先生には、お役立ち道、お役立ち道経営のアドバイザー(お役立ち道ねっとへ)へご就任いただいております。
メンバー紹介
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2025年 新春座談会記事 一覧(note)
幸せを創る / 2025年ウェル・ビーイング座談会(フルバージョン・前編)
幸せが広がるつながる / 2025年ウェル・ビーイング座談会(フルバージョン・中編)
ハッピー環境をつくろう / 2025年ウェル・ビーイング座談会(フルバージョン・後編)
この記事の短縮版 動画&テキスト(お役立ち道ねっと)
幸せを創る / 2025年ウェル・ビーイング座談会(前編)
幸せが広がるつながる / 2025年ウェル・ビーイング座談会(中編)
ハッピー環境をつくろう / 2025年ウェル・ビーイング座談会(後編)
2024年 新春座談会記事 一覧(note)
2024年大予測座談会① - 組織のあり方の転換期
2024年大予測座談会② - 一億総プロの時代へ
2024年大予測座談会③ - 渋沢栄一さんに学ぶ
2024年大予測座談会④ - 上司は名司会者たれ