子育ての5つの原理原則
子育てについて、原理原則と言える普遍的なことを、今日は5つ取り上げてみました。
【①子どもを1人の人格として尊重する】
まず、子どもを1人の人格として尊重するっていうことですね。
子どもには子どもの思い、考え、意見があるんですね。
これは赤ちゃんの時からあります。
子どもが望んでいないことをすると嫌がりますよね。泣きますよね。おなかが空いてるのに、おっぱいもらえないと泣きますよね。
そういうふうに、子どもは赤ちゃんの時から自分の意志があります。欲求があります。それをやっぱり大事にするってことなんです。
人格として尊重するっていうことは、言い換えれば、指示や命令で動かさないってことなんです。
つい、ああしなさい、こうしなさいって、乳幼児期だと特にそういうふうに大人はしてしまいがちです。
大人は先が読めますし、子どもはまだ未熟だから、いろいろ助けてあげないとできないっていうふうに思ってますから、つい指示命令したり、教えるつもりで怒ったりしちゃいますね。
やっぱり1人の人格として尊重するには、できるだけそれを避けましょう。そうじゃない方法はいっぱいあるのでね。それをまず第一の原則にしたいと思います。
【②子どものしていることを、まず受け入れる】
2番目は、子どものしていることを受け入れる、って事なんですね。
これがなかなか難しい。
受け入れるって、どういうことなのでしょう?
もう、子どもって、しょっちゅういろんなことやりますからね。
起きてる間は、休みなく動き回るのが乳幼児ですよね。
子どものしたいことは次から次から変わっていくし、それでいて、大人が一緒にそこで過ごしていると、大人のして欲しいこともあります。
早く準備して、家を出なきゃいけない、っていうふうな事とかね。
「ご飯の支度したいんだから、お家に入ってよ」って。
でも、子どもは嫌だって言う。
そういう子どものしたいことと、大人の考えのずれというのが、しょっちゅう起きるんです。
その対応がうまくマッチして、お部屋に入ろうよって言ったら「うん」と言ってお部屋に入ってくるようなら、何も問題はないわけですよね。
問題になるのは、これがずれた時です。食い違ったときですね。
あるいは大人の言うことを、子どもは「やだっ!」て拒否しちゃうときね。
その場合は、親もとても大きなストレスになるし、子どももストレスになっちゃう。
でもここで大人がしなきゃいけないのは、子どものしてる事をまず受け入れるということなんです。
まずは受け入れましょう。
「なんだ、そういうふうにやりたいのね。まだ遊びたいのね」って、そういう共感の気持ちを持ちながら、でも子どもの言いなりになるんじゃなくて、大人には大人の考えや、つもりがありますので、だから「もう家に入ろう」とか「もう帰ろう」とか、大人の考えやつもりも言わなきゃいけない。
「ご飯を作らなきゃいけないんだよ」ってことも言わなきゃいけない。
そういうふうに言いながら、子どものしたい気持ちに寄り添いながら子どもの考えや判断を待つっていうね。
これが原則なんです。
でも、その原則を実際にやるとなると、難しいですよね。
毎日お母さんたちは、これで苦労していると思います。
でも、そのまず受け入れるっていうところを、“できないから”って悩まないでください。
できなかったら、また次にやれるようにいろいろ考えてみましょうよ。
考えてやり方を見つけましょう。
【③満足するまで遊ぶことが大事】
3番目は、満足するまで遊ぶことが大事ですね。
子どもは乳幼児期に遊びながら育つんです。
もう、やりたいことは遊びですよね。なんでも遊びにしちゃいます。
だから、ご飯のおかずやご飯まで遊びにしちゃいますよね。うっかりするとね。食べることを忘れて、ぐちゃぐちゃやったり投げたり、いろんなことが始まりますよね。それも遊びになっちゃうんですね。
そういうふうに、朝目覚めてから寝るまで、子どもは遊びながら育つと言ってもいいんです。遊びまくるって言うのが相応しいくらいに、とにかくエネルギッシュに体を動かして、いろんなことに興味を持って遊びますね。遊ぶのが子どもの仕事だと思っていいと思います。
だから、思う存分に遊べる環境をまず作ることですね。
1日の中でも、満足して遊べる時間をどこかで作りましょう。30分でも1時間でもいいと思います。2時間遊べればもっといいですね。
子どもがやりたい放題にやって、いっぱい遊んで「あー面白かった、楽しかった」っていう、そういう満足感を持つことで、子どもはとても素直になったり、お父さんお母さんの言葉に耳を傾けたり。
満足感がそこにあると、そういう子どもになれるんですね。
大人もそうだと思います。
面白かった、楽しかったっていう実感が持てたら、他の嫌なこともどんどんやれちゃいますよね。
そういうもんなんですよね。
【④大人も一緒に子どもと楽しむ】
4番目は、大人も一緒に子どもと遊びましょう。
子どもが夢中になって遊んでいるときは、そっと見守っていればいいのですけれども、子どもが遊ぶ時に、大人が一緒に遊んで遊びを広げたり、工夫したりする力をちょっとアドバイスしたりすると、子どもの遊びが広がります。
それで子どもは嬉しくなるし、楽しくなるし、遊びにどんどん集中していくような力が生まれてきますので。
大人も遊びながら、子どもが考えていることとか、子どもの力とか、そういうものがわかりますので、子どもの理解につながります。
例えば、私が前に体験したことですが、
子どもが砂場で遊んでいて、ペットボトルに水を入れて砂場に運ぼうと思って水道に行きます。
水を半分ぐらい入れると、もう止めて運んでいくんですね。
大人からすると、いっぱい入れたらいっぱい運べるのに、って思ったりするんですよね。
でも、子どもには自分のつもりがあって、このくらい入れたら持って行っちゃうっていう、そういうふうなことを繰り返している。
で、何回も何回も繰り返して。
それが子どもの考え方なんだなっていうことを理解できますね。
そこに余計な口は出さないということをしながら、子どもの判断力や子どもしていることの中身がわかって、子どもへの理解も進みます。
【⑤子どもの目線に立って子どもから学ぶ】
親も子どもと共に育ち合いましょう。
子どもは大人が考えもしない発想をしたり、子ども独自の世界を持っているので、子どもの目線に立って、子どもから学びましょう。
子どもには子どもの世界があるので、大人の世界と違うんですね。
そこを考えて関わると、お母さんの気持ちも変われるかもしれません。
お母さんも自己変革のチャンスです。
自分を変えていくチャンスなんです。
(2020年11月講演会より#1)
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