【第2回】shinnoの推しアート展覧会【friend with benefits編】
▼僕は性癖がだいぶ歪んでいることもあって、えっちな漫画や同人誌はめったに読まない(全く読まないわけではないがそこまで得意ではない)。しかし、そんな僕でも「えっちな本に於ける、えっちなことが行われがちな場所」というのは知っている。たとえば、自宅の寝室やそういうホテルは当然として、廃校舎のトイレ、体育館の倉庫、車の中、地下室、■■■■など……。しかし実際に読んだことこそないものの、個人的に風情というか趣を感じる場所として、「田舎町のバス停(雨天)」と「扇風機やヤカンの麦茶、脱ぎ捨てたシャツや食べかけのポテチが置いてあって、バルコニーに室外機が置いてあるアパートの一室(真夏日)」を挙げておきたい。
▼決して行為をするにあたっての「いい感じの雰囲気の部屋」では無いのだろうが、生活感だったり、欲を発散するためなら多少の暑苦しさや不快感は特段大きな問題ではない、みたいなそういった言葉では言い表せない独特な雰囲気があると思う。こうして体を重ねる人々の事を思うと、えっちという感情を通り越して、尊さを感じてしまうのだ。
東京恋慕 キルミーエンジェル [MV]
作詞作曲 ソムチャイ
▼これは完全な独断と偏見だが、東京恋慕というロックバンドの『キルミーエンジェル』という曲は、まさにそういった雰囲気だろう。程よいごちゃっと感が気持ち良いイントロが終わり、歌詞の一言目が《セックスフレンドじゃ満足できないから》、この時点で万人にオススメする事が出来ない曲だが、だからこそ僕はこの記事を書いている。
▼荷物をまとめて相手の家に向かうキャラクターは、セフレじゃ満足できなくて、早く行為に励みたい。吐き気がするほどに、甘味を欲するほどに(具体的にはチョコレートやハリボーグミ)……。このパートだけで、先述したアパートの一室が想起される。欲の発散の為に汗だくになりながら行為をする、そんな空間が広がっている。
▼公式MVのコメント欄の歌詞を見ると記号が割り振られていて、誰目線の歌詞かで分かれていると思われる。二番Aメロの《今のLINE誰だよまたアイツからかよ》からも分かる通り、登場人物は三人くらいいて、あれ、なんか少しややこしくなってきた。サビ前の喘ぎからのシャウトの流れは初めてこの曲を聴いたとき痺れた。好き。
▼サビで歌われる《君が僕の全てならそれはもうストーカーだな》では、相手に対する束縛じみた愛を感じ取れる。実際最後の歌詞が《君の寂しさの穴を埋めてくれる人はいるのかな それすら祈れない僕はもう人にはなれっこないと思いました》なので、相手が行為の対象を乗り換えることに対して、相手に依存しているところがあると自分で認めているし、諦めているようだ
▼待って、サビの考察を書こうと思ったけど、どうもしっくりこない。とりあえず聴いて欲しい。おすすめの一曲!!!!!!!!!!!!!!!!!
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