私が都市型コンポストをやめたワケ
2020年2月から始めた都市型コンポスト「LFC(Local Food Cycling)」をやめました。
ちょうど一年使った事になるので、1年間の使用感とやめた理由を書いておこうと思います。
これから導入を検討中の方のお役に立てましたら幸いです。
今までの体験記はコチラ↓から全部読めます。
導入の経緯
まずは、なぜ都市型コンポストを導入したのか?を振り返ってみます。
この記事にもあるように、もともとコンポストで作った堆肥をベランダ農園の鉢植えやプランターの土壌改良に使うために導入し、生ゴミを減らそう!食品ロス削減!SDGs!みたいなことはおまけだったのです。
コンポストの堆肥で果樹や花樹が元気に花を咲かせてくれたら良いなぁと、そう言う目的があったわけですね。
1年間使ってみて、どうだったか
実際に使ってみて、虫がわいたり、臭いが気になったりすることは無かったですし、最初は生ゴミが分解されてサラサラした堆肥に変わるのが面白く、体験記もそれなりに楽しんで更新できていました。
ですが、生来のズボラさが出て来まして、夏を過ぎた頃から生ゴミをコンポストに入れるのがだんだん面倒になってきてしまったのです…
身も蓋もありませんが。
生ゴミを入れなくなった理由
分かっていたことなのに、面倒になった理由としては、
1、出来た堆肥を使いきれない
2、LFCで堆肥の回収やイベントもあったがそれでも追いつかなかった
3、生ゴミを「コンポスト用」と「捨てる用」に分けるのが面倒になった
4、月々のコストが負担になった
の4点が挙げられます。
1、出来た堆肥を使いきれない
そもそも堆肥が出来上がるまで最短で3ヶ月かかるのに、なぜ使いきれないのか?
思いの外たくさんの堆肥が出来たので、鉢植えやプランターに1回分の堆肥を使ったらほぼいっぱいになってしまい、それ以上追肥する容量的な余裕が無くなってしまったのです。
私が料理の仕事をしていることもあり、一般的な4人家族よりも生ゴミが多くなるから、と言う理由もあると思います。
もちろん、なるべく生ゴミが出ないような野菜の使い方(芯や皮ごと食べる、など)を心がけてはいました。
そしてここが1番大きいのですが、そもそもの目的だった鉢植えを減らす事にしたので、余計に堆肥を使いきれなくなったのです。
なぜ減らすのかと言うと、農家さんから教えて頂き、果樹は全て接木で増やすため種子から育てても結実しないと知ったからです。
現代ではサルカニ合戦はほぼ実現しないのですね。ここはとても盲点でした。
(実家が野菜農家だったため不勉強でした)
2、回収やイベントで使ったが…
LFCが出来た堆肥を回収するイベントなどを企画していたので、
①農園に発送すると野菜がもらえる
②都内イベント会場へ持参
の2回に参加し、回収してもらいました。
この時、①は発送先が九州だったためコンポストキット1回分超の送料がかかりました。
(現在は発送先に関東も選べるようです)
②は電車で1本の距離だったのでそれほど交通費もかからず回収してもらえたのは良かったです。
3、生ゴミの分別に手間がかかる
虫がわいたり臭いがするのが嫌だったので、動物性の生ゴミと大型柑橘類の皮など、小さく刻むのに手間がかかる植物性の生ゴミを入れないようにしていました。
今までは「生ゴミ」としてひとまとめにしていたものを「コンポストに入れる生ゴミ」と「可燃ゴミに出す生ゴミ」に分ける手間が増えました。
ここは使い方によっては発生しない手間ではありますが、卵の殻はどう考えても3ヶ月程度では分解されませんし、プランターから骨がはみ出るのが嫌だったので仕方ない手間なのですが、野菜の皮も分解されやすいようになるべく小さく刻むなどの手間もだんだん負担になってしまいました。
4、月々のコストが負担になった
コロナの影響で仕事がなくなり、収入が減ったことで、区の可燃ゴミ回収に出せば追加コストは0円(区民税のサービス内)ですが、コンポストを使うと、契約内容によって異なりますが、4人家族で2ヶ月コースの我が家では月々1,000円、そのうち25%が送料です。
コンポストを使うことで家庭で出る可燃ゴミは減らせますがコンポスト基材の配送でCo2が発生しますし、このコスト負担はわずかな可燃ゴミを減らした効果に見合うのだろうか?と疑問に思うようになってしまったのです。
環境問題はこういったトレードオフの葛藤と常に隣合わせであることは認識していましたが、年間12,000円と思うと収入が不安定になった今、やはり継続を断念するのが妥当と判断しました。
草の根的なこういった活動は未来環境への投資と考えていますが、現状の経済力では、正直なところ、今、目の前の子供たちに使うことが、誰に何を言われようとも私にとって最優先事項なのです。
正直に一言でいうと、使い道が無くなったことが1番大きな理由ですが
気持ちも時間もお金もコンポストにかける余裕がなくなった
と言うのも率直な理由ではあります。
と言うわけで、これで「都市型コンポスト体験記」は完結です。
最後までご覧下さりありがとうございました。
試作のための食材費や、子供達が使いやすい調理器具の購入に使わせて頂きます!