ワインリスト恐怖症の私がワインバーに行ってきた話
料理を仕事にしているのに、あまりお酒が飲めない。
歳を重ねるにつれ、だんだん量が飲めなくなってきてしまったという話は割とよく聞くのではないかと思うが、私もそのクチである。
飲酒量のピークは大学卒業から社会人2年目くらいまでではないかと思う。
妊娠出産を経てアルコールを一切摂取しなかった期間が結構長かったことの影響もゼロではないだろう。
種類で言うと、1番好きなお酒は日本酒、次いでカクテル、ワイン、リキュール類、ビール。
蒸留酒は強いので、よほどの理由がない限り自分からは選ばない。
最近は山活の後のみビールを飲むようになったが、基本的に乾杯の付き合い以外ではビールを飲まない。1日に飲める量が決まっているので、それをビールで埋めてしまうのがもったいないと思ってしまうのだ…
しかも収集癖があると自覚しているので、ワイン、チョコレート、チーズ、紅茶とは普段からなるべく距離を置いている。沼が深過ぎる。
そんなわけでワインに対する知識や経験がほぼない私なので、ワインリストを渡された時はドギマギしてしまう…
どのワインが好みか、どんな味なのか、全く想像が出来ないのである。
とは言え、ソムリエさんの存在もお仕事内容も存じているので、のっぴきならない時には素直にソムリエさんのお世話になっている。
そんな私が。
なぜ急にワインバーに行ったのかというと、以前何度か行った大好きなレストラン「コーダリー」のオーナーソムリエ近藤さんがオープンしたお店だからである。
後から知ったのだが、近藤さんは、大好きな大好きな敦子シェフのミクニ丸の内時代の元同僚とのことで、やはりこの方のチョイスは間違いないと全幅の信頼を置いている。
オープンしてから少し待つのは、物珍しさに新店ハントするミーハーがいなくなってから、と思っていたから。
そして、いつもよくしてくれて家族ぐるみの付き合いのある友人の誕生日だったこともあり、この機を逃すべらかず!とお邪魔したのであった。
「お祝いだし、スパークリングで」とお願いしたところ、こちらをお出しいただいた。
ラベルに書いてあるのでかろうじてシャンパーニュとわかるレベルで申し訳ないのだが、大変好みで美味しかった!
お陰で後で少しこのお酒を調べてみようという気持ちになった。こうして知らず知らずのうちに沼に近付いてしまうのである。
もちろん、お料理も美味しい。
なぜか無駄にウフマヨに対する憧れがあり、メニューに見て即決。
きのこのデュクセルを敷いたココットごと焼き上げたスフレ風オムレツもまた素晴らしく美味しかった。
写真を撮り忘れたが、もう一品、羊の春巻も頼んでいる。クミンが効いていてとても美味しかった。
この日は別のお店でランチをした後、パフェを食べてからの口開けでの入店だったので、友人は赤を1杯、私はノンアルコールでワイン用のぶどうで作ったぶどうジュースをいただいた。
以前、「ワインバーでソフトドリンクを飲むな」と怒られたことがあり、少々申し訳なくオーダーしたのだが、快く出してもらえてホッとした。
この日は私たちの入店後、1時間ほどで満席になったので席を立つことに。
カウンター9席の小さなお店なので、無駄な長居は無用である。
日中の時間がある程度自由になる友人と私には、ちょっと出かけた帰りに15時からフラッと立ち寄り、気軽に1〜2杯飲んでサクッと出られる居心地のいいお店はとても貴重だ。
今後もちょいちょい利用したい。
蔵前方面から上野に抜ける途中にあるので、浅草橋から蔵前のカフェや雑貨屋などを回って、軽く飲んで〆る、とか最高だ。
遠方からの友人を案内する時、ルートに組み込もう。
気軽にワインが飲めるようになったらオトナの階段を一段上ったような気がして、友人の楽しそうな笑顔を見られたこともあり、気分の良い一日になった。