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献立の立て方、どうしてる?:毎日の献立決めを少し楽にする方法

このところの外出自粛要請で、毎日3食作る方が増えているのではないかと思います。

昨年の今頃、「献立の立て方レッスン」を開催したのもそういったお悩みを抱える方が多いと聞いたからです。

夕飯の献立を決める時、何から決めますか?

汁物?主菜?副菜から決めますか?
まず、ここからですよね。

そもそも何から決めたらいいのかわからないから、何も決まらない…
疲れている時ほど、ゴチャゴチャと細かい事を考えたくないのは私も同じです。

だから、まず先に何を決めるか決めてしまいましょう!

ある程度のルール(ひな形、フォーマット)を作ってしまうと、あまり考えなくても冷蔵庫にある食材をパズルのピースをはめるように、当てはめていくだけで献立が決められるようになります。少しロジカルになりますが、慣れると知る前には戻れませんし、家族と食事の支度をシェアする時にも役立ちます。
 

まずは主菜を決めましょう

和食には「一汁三菜」と言うフォーマット(形式・ひな型)があります。ご飯、汁物、主菜、副菜、副々菜です。

こう聞くと「え、ご飯の他に4品も作る余裕無い…無理」ってなりますよね…

料理教室をやっている私が言うのもなんですが、多分ほとんどの人より料理が好きな私だって、そう思います。

でも、汁物、主菜、副菜の3品、いわゆる「一汁二菜」なら何とかなりそうな気がしませんか?
もちろん必ず二菜が必要なわけではありません。目安です。
土井善晴先生もご著書で「一汁一菜で良い」とおっしゃっています。

例えば、主菜を豚の生姜焼きにしたとします。
副菜をキャベツの千切りにすれば、ここにみそ汁を付ければ、一汁二菜になりますよね。
生姜焼きに玉ねぎやきのこも入れれば主菜1品で野菜もたくさん食べられます。

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丼ものなら主食が主菜も兼ねるので、汁物とサラダや漬物が少しあれば副菜として充分です。

こうやって考えると、少し楽になりませんか?

そのくらいのイメージで充分なんです。
私が献立を決める時も、まず主菜から決めています。

冷蔵庫や冷凍庫にあるお肉か魚のうち、早く使ってしまいたい食材を考えます。
生の魚と肉なら魚を優先に、

魚>肉

魚を使う順番としては、

生>干物、塩漬けなどの加工

生の魚の種類では、やはり傷みやすい青魚から

青魚>赤身魚>白身魚

の順に。
お肉は、人手が多く加わっているものを優先して使います。

ひき肉>切落とし>薄切り>>ブロック

種類としては、傷みやすい鶏肉から使います。

鶏肉>豚または牛肉

の順に召し上がると、無駄なく使い切れると思います。(冷凍であればこの限りではありません)

主菜に使う食材が決まったら、どんなお料理にするか決めます。
どんなお料理にするか決める時の指標になるのは「五味五色五法」と言う言葉です。
 

【五味】
甘味、塩味、酸味、苦味、旨味
【五色】
白、黒、赤、青(緑)、黄
【五法】
生、煮る、蒸す、焼く、揚げる

 
主菜にする食材が決まったら五味と五法を参考に調理方法と味付けを決めましょう。
もちろん自分が作れるレパートリーの中から決めて、それがどこに当てはまるのか覚えておくと良いですね。
揚げ物や炒め物ばかりが続くと胃が疲れますし、かと言って蒸し物ばかりも味気なく感じるかも知れません。何事もバランスです。

また、前日の献立が何だったか思い出して重複しないように味付けを変えるだけでもワンパターンから抜けるきっかけになると思います。

「昨日は唐揚げだったから、今日はさっぱりと蒸し料理にしてポン酢かゴマだれで食べよう。」

のように考えると比較的決めやすくなるのではないでしょうか?
 

次に副菜を決めましょう

主菜が決まったら、野菜を1つか2つ選んで副菜を作りましょう。

肉や魚と同様に傷みやすいものから先に使っていくと言う原則は変えませんが、組合せる場合は特に気にしなくても大丈夫です。

↓もやしや貝割れ大根などのスプラウト類
 ほうれん草などの結球しない葉物野菜
 きのこ類
↓キャベツ、白菜などの結球する葉物野菜
 トマト、ナス、ピーマンなどの果菜類
 大根、人参などの生で食べられる根菜類
↓じゃがいも、里芋などの芋類

の順に使っていくと無駄なく使い切れると思います。もちろん、この通りでなくても大丈夫です。ご参考までに。

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余裕があったり、少しずつ色々な野菜があるのであればもちろんたくさん使っても問題ないですし、むしろ栄養バランスがよくなるのでおすすめです。

副菜を決める時は、主菜の「味」と「調理方法」と重複しないもの、と思えば選択肢が狭まって決めやすくなります。

例えば、主菜が「肉じゃが」で副菜にもやしを選んだ場合は、もやしを炒めたり、蒸したりして、醤油と胡麻油でナムルにしたり、シンプルに塩だけで味をつけるのも良いと思います。

副菜は、難しく考えず「野菜1つを使い切って作る何か」と思っておくと、ハードルが下がるのではないかと思います。

きゅうり1本カットし野菜スティックにして、みそマヨをディップするのも立派な副菜です。
ほうれん草や小松菜を1束バター醤油ソテーにするのも良いですね。ピーラーで薄切りした人参をドレッシングに浸けて即席ピクルスみたいに食べるのも美味しいです。

少し余裕があれば、レンコンやごぼうなどできんぴらを作ったり、きのこのマリネを作っておけば、2〜3日は副菜の心配が無くなります。

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最後に汁物を決めましょう

主菜、副菜、と決まったので、汁物を決めましょう。
汁物は、基本はおみそ汁でいいと思います。
主菜を洋食や中華にした時はポタージュやスープにするのも良いと思います。

主菜、副菜に使わなかった野菜と乾物など、具は1〜2種類くらいあれば充分です。
豆腐とかわめ、ネギと油揚げ、じゃがいもと大根、しじみなどが定番ですよね。

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おみそ汁まで手が回らない場合は、時間のある時にみそ玉を作って置けば、食べる直前にお湯を注ぐだけでおみそ汁が食べられます。
 

【みそ玉】(お椀1杯分)
[材料]
みそ 大さじ1
鰹粉や煮干し粉   小さじ1
乾燥カットわかめ  ひとつまみ
お好みで手毬麩など 少々

[作り方]
15×15cm程度のラップに全ての材料を乗せて、丸め、ラップのまま冷蔵庫で保管する。

[食べ方]
お椀にみそ玉を入れお湯を注ぎ、1分程度待ってカットわかめやお麩が戻ったら、よく混ぜて召し上がれ。

みそ玉なら火も包丁も使わないので、小さなお子さんと一緒に作るのもおすすめです。
可愛い花型や星型のお麩も売っているのでそういった物を使われるのも良いですね。
もちろん市販の粉末スープを使ってもOKです。

いかがでしょうか?
どんな順番で食材を使えばいいか、何から決めればいいかが分かれば、なんとなくクロスワードパズルを埋めるように献立が決まっていませんでしたか?

もちろん「今夜はコレ!」とリクエストや食べたい料理があればそれを作れば良いので、そうではない時にお役に立てれば幸いです。

是非お試し下さいませ!

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古谷 真知子:家庭料理のコンシェルジュ
試作のための食材費や、子供達が使いやすい調理器具の購入に使わせて頂きます!

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