「コロナのおかげ」とは絶対に言いたくないけれど、強いて1つ挙げるとしたら…
ネガティヴな事を無理やりポジティブに変換することはあまり好きではありません。
良くあるのは
「神様は乗り越えられない障害は与えない(だから乗り越えられるよ、頑張って)」
みたいなものです。
今回のコロナ禍でも
・リモート化が進んだ
・オンライン化が進んだ
・人と会う事の価値が改めてわかった
など、良かった事もいくつかはあるのかも知れませんが、多くの方が亡くなったり、数えきれない経済的な損失など、どう見ても総合的に考えれば「無ければ良かった」としか思えません。
ただ、起こってしまった事象にとやかく言っていても始まらないので、出来ることから一歩ずつ前に進んで行こうと言うスタンスではあります。
強いて、1つだけ挙げるとすれば
在宅勤務や家庭学習により家族みんなが家にいる事で、家族で食卓を囲む機会が増えたご家庭が多いのでは無いかと思います。(食事を作る負担増については後述します)
食育的には、家族みんなで食卓を囲み、普段なかなか出来ないコミュニケーションを取ったり、習い事や仕事に追われておざなりになりがちだった団欒と食卓が見直されているのは、大変喜ばしい事です。
食育の三本柱の二本目に、「衣食住の伝承・しつけは共食(団欒)から」とあり、家族団欒を阻む6つの「こ(孤、個、粉、固、小、濃)食」を止めて家族みんなで食卓を囲むのが理想的とされています。
[6つのこ食]
・孤食 … 1人で食事をする孤独な食事
・個食 … 各々違うものを食べる個々の食事
・粉食 … パンや麺など粉ものばかりの食事
・固食 … いつも決まったメニューだけの食事
・小(少)食 … 少な過ぎる食事
・濃食 … 濃い味の料理ばかりの食事
コロナ前は、家族で食卓を囲むのは週末だけ、と言うご家庭が多かったと思いますし、我が家も娘が幼稚園に入園する頃からそうでした。
今回のコロナ禍で、この「孤食」は(一時的かもしれませんし、職業によっては更に加速した場合もあるかも知れませんが)かなり改善されたと思われます。
思春期のお子さんがいらっしゃるご家庭では、もしかしたら悪い方向に傾いた可能性もゼロではありませんが、小学生以下のお子さんのいらっしゃるご家庭では、家族団欒の時間が増えた事で良い事もあったのではないかと思います。
私は食育インストラクターなので、ここは強調させて頂きたいと思います。
我が家の場合ですが、食卓を囲む機会が増えた事で、険悪だった夫と中学3年の息子の親子仲が改善しました。今までのコミュニケーション不足を補うことが出来たからです。
メリットがあれば、もちろんデメリットもあります。
前述の「食事の支度への負担増」です。
コロナ前は、給食やお弁当、外食や中食で済ませていた昼食も、家庭でしなければならなくなったのは、やはり負担になっていると思います。仕事で疲れたので夜は外食に、ともなかなかいかなくなりました。
子供が家にいることで、在宅勤務の業務に支障が出たり、子供の学ぶ機会損失にもなっています。特に小中高生に保護者が勉強をさせる、教えるのはかなり大変です。
この点については、各自治体に早急に対策を取って欲しいと切実に思います。
◇◇◇
話は戻りますが、家族みんなが家にいることで、お子さんが大きなお宅では家事シェアも進んだのでは無いかと思います。
子供が「お手伝い」ではなく、家事の主戦力になってくれた、とのお話を何人かの方から伺いましたし、我が家でも普段なら子供達は部活や塾で忙しいため家事はほぼ全て私がしていましたが、今は洗濯物干しと取込みを息子が、食器洗いと時々の昼食の支度を娘が、お風呂掃除やゴミ捨てなどはどちらかがやってくれています。
未就学のお子さんに無理にやらせる必要はありませんが、出来ることから少しずつ教えて、任せていけば、最初はお手伝いですし時間もかかるかもしれませんが、子供だって家族の一員ですから、小学生くらいから家事シェアの戦力としてスタメン入りしてもいいのです。
(受験期や体調などで身体的に難しい場合などは臨機応変にすれば良いのです)
もちろん出来ることと出来ないことがありますから、大人と同等に分担させる必要はありません。家族全員が、家事を「自分ごと」として認識するようにコミュニケーションを取っていけば良いのです。
そして、子供が家事をやるようになれば、夫婦間での家事シェアだって見直しが出来る良い機会になります。
夫婦どちらかの負担が大きかったのであれば、子供に割振れる事を割り振るなどしながら、夫婦間の家事負担格差を埋めていくことが出来ます。
「新しいライフスタイル」への移行を機に、夫婦や大人だけでなく、家族全員での家事シェアを目指していきましょう。