「森は海の恋人」・畠山重篤に関する雑誌記事索引紹介

「森は海の恋人」という言葉を一度耳にすると、心から離れません。岩手県気仙沼の牡蠣養殖家である畠山重篤さんはこの言葉をかかげて、豊かな海を育むために森に植林する活動を続けています。今年のNHKドラマ『おかえりモネ』に登場した牡蠣漁師のモデルは畠山さんです。
海の生物のエサとなる植物プランクトンが必要とする栄養素は「鉄」です。鉄が酸化せずに海水に含まれるためには「フルボ酸鉄」の状態になることが必要です。「フルボ酸」は森の落ち葉が積もってできる腐葉土にできます。そこに雨が降って土中の鉄と結びついて「フルボ酸鉄」になります。その「フルボ酸鉄」が川を下って海に流れてくるというわけです。そのため、上流の森が豊かになれば、その下流にある海の植物プランクトンが豊富になります。
畠山さんは長年の漁師としての実体験をもとに、たくさんの研究者たちと共にこの森・川・海の関連を発見しました。
気仙沼は2011年3月の東日本大震災の津波によって甚大な被害を受け、畠山さんの養殖施設も全壊してしまいました。畠山さんは『サライ』2012年9月号のインタビューで、その頃の状況を詳しく語っています。震災から1カ月ほど経ったころ「死んだようだった」海が立ち直り、驚くほど速くよみがえっていったそうです。それは、畠山さんの暮らす舞根湾では森と川と海の繋がりがしっかりとしていたためで、森の力が海の復活を助けました。
植物プランクトンがたくさんいる海は、豊かな「海の森」です。近年の研究で、「海の森」が二酸化炭素を吸収していることがわかってきたそうです。地球温暖化の解決策として、「鉄」が注目され始めています。
畠山さんの雑誌記事や著作を読むと、今まで知らなかった自然の営みを知ることができます。今回はWeb OYA-bunkoに99件ある畠山重篤さんの索引データの中から20件を紹介します。
※掲載内容は大宅壮一文庫HP内の雑誌記事索引紹介と同一記事です。
※今回紹介した索引の雑誌記事のコピーをご希望の場合は、遠隔地の方は資料配送サービスで取り寄せることが出来ます。 どうぞご利用下さい。
No1
対談
鉄は地球を救う 山野の腐食土成分が鉄と結びつきプランクトンを増やす。別の鉄成分はヘドロを浄化。まこと鉄は魔術師。 ※鉄炭団子がヘドロを無害化、鉄炭団子とヘドロで電気が発生
執筆者 畠山重篤/佐々木剛
雑誌名 WiLL(ワック)
発行日 2018年06月
ページ 326-335

No2
インタビュー
Opinion 畠山重篤(NPO法人森は海の恋人理事長、養殖漁業家、エッセイスト) 森と川と海を1つに考える、デザインにはそういう意味がある
執筆者 畠山重篤
雑誌名 AXIS
発行日 2016年10月
ページ 77-81

No3
東日本大震災 日本人の底力 東北3県「復興」の現場から 豊かな森が海を救ってくれた ※気仙沼の牡蠣養殖
執筆者 畠山重篤
雑誌名 文藝春秋
発行日 2016年04月
ページ 261-265

No4
インタビュー
今、華のひと 19回 畠山重篤 牡蠣養殖家 フルボ酸鉄。これさえあれば、日本の、いや世界の漁場は救われるんです。
執筆者 畠山重篤
雑誌名 なごみ
発行日 2013年07月
ページ 50-55

No5
インタビュー
サライ・インタビュー 畠山重篤 「大津波でも海は死なない。海の恵みを支えるのは背後にある森の力だから」
執筆者 畠山重篤
雑誌名 サライ
発行日 2012年09月
ページ 16-20

No6
対談
自然の力で気仙沼の漁業は甦る 東日本大震災で大打撃を受けた東北地方沿岸。はたして復興は順調に進んでいるのか。災害の多い日本で生き抜く知恵に迫る
執筆者 畠山重篤/養老孟司
雑誌名 Voice
発行日 2012年07月
ページ 154-163

No7
対談
住吉美紀の熱烈対談「すみきちのぶっちゃけ堂」 13回 牡蠣養殖業(「牡蠣の森を慕う会」代表)・畠山重篤 「フォレストヒーローズ」という栄誉は私にとってとても意義があることです
執筆者 畠山重篤/住吉美紀
雑誌名 サンデー毎日
発行日 2012年05月13日
ページ 54-58

No8
インタビュー
現場に生きる 畠山重篤 「海でしか生きられない」という希望
執筆者 畠山重篤
雑誌名 MOKU
発行日 2012年02月
ページ 36-45

No9
対談
試練を越える 試練の中に光を見出して ※ともに宮城県で東日本大震災に遭遇した畠山重篤・塩沼亮潤両氏が、互いの被災体験を交えながら、この試練をいかに乗り越えるべきかを語り合う
執筆者 畠山重篤/塩沼亮潤
雑誌名 致知
発行日 2011年07月
ページ 8-16

No10
インタビュー
新・家の履歴書 239回 畠山重篤 大津波で気仙沼の養殖施設は全壊 祖父が残した高台の家から再出発します
執筆者 畠山重篤
雑誌名 週刊文春
発行日 2011年05月12日
ページ 94-97

No11
東日本大震災・日本人の再出発 気仙沼 蝋燭の光でこの手記を書く 手塩にかけた養殖設備は壊滅。しかし、今を生きねばならない ※まるでナイヤガラの滝、たくさんの思い出が消えた、など
執筆者 畠山重篤
雑誌名 文藝春秋
発行日 2011年05月
ページ 184-191

No12
日本汽水紀行 特別版 〈気仙沼発〉 わが罹災記 孫を抱えて上へ上へと這い上がる ※東日本大震災
執筆者 畠山重篤
雑誌名 歴史通
発行日 2011年05月
ページ 4-17

No13
野の人 畠山重篤 牡蠣の森を慕う会 『森は海の恋人』を合言葉に養殖環境を植樹で守った男 ※カキ養殖、宮城県大川の上流室根町の山に植林
執筆者 根岸康雄
雑誌名 ビーパル
発行日 2008年09月
ページ 101-105

No14
対談
〈温暖化防止対談〉 洞爺湖サミットで熱く「鉄」を語れ! 畠山重篤(牡蠣の森を慕う会代表)×長沼毅(広島大学大学院生物圏科学研究科准教授)
執筆者 畠山重篤/長沼毅
雑誌名 本の話
発行日 2008年07月
ページ 8-14

No15
対談
楽天知命 海が語りかけるもの ※「森は海の恋人」運動を推進する畠山氏と海中の生命の真実を紹介し続ける中村氏、海をめぐる両氏の活動とこれからの生き方を語る
執筆者 畠山重篤/中村征夫
雑誌名 致知
発行日 2008年03月
ページ 8-18

No16
にっぽんをスローにする 9回 人の心に木を植えよう 牡蠣養殖業・畠山重篤さん ※宮城県唐桑という三陸の海辺で行われている「森は海の恋人」という植林活動
執筆者 畠山重篤/島村奈津
雑誌名 考える人
発行日 2004年08月
ページ 123-127

No17
書評/インタビュー
〈著者に聞く〉 畠山重篤『日本〈汽水〉紀行…「森は海の恋人」の世界を尋ねて』文藝春秋 森はやっぱり海の恋人
執筆者 畠山重篤
雑誌名 本の話
発行日 2003年10月
ページ 34-37

No18
環境貢献 森は海の恋人 ※カキを養殖する気仙沼湾に注ぐ大川上流域の山に落葉広葉樹を植林している理由、松永勝彦教授が解明した鉄の働き 牡蠣の森を慕う会代表
執筆者 畠山重篤
雑誌名 環境会議
発行日 2001年09月
ページ 30-33

No19
座談
リアスの海辺は世界に通じる 気仙沼から「森は海の恋人」を発信してきた一漁民が、スペインで見つけたリアスの記号学
執筆者 浅野史郎/木村尚三郎/畠山重篤
雑誌名 諸君
発行日 1999年11月
ページ 146-156

No20
柞の森 ※漁民による「森は海の恋人」運動が朝日森林文化賞を受賞し、皇后陛下に招かれたこと
執筆者 畠山重篤
雑誌名 文藝春秋
発行日 1999年07月
ページ 84-85
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