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「宮城谷昌光」雑誌記事索引紹介

宮城谷昌光さんの小説『三国志名臣列伝 蜀篇』が2023年2月25日に出版されました。三国志の登場人物を一人一人取り上げてオムニバスにした小説『三国志外伝』や『三国志名臣列伝』のシリーズも4冊目となり、満を持して「劉備玄徳」とその仲間の物語となります。
中国や日本の歴史小説を膨大な資料と筆力で書き記してきた宮城谷さんとはどんな人物なのか、そして『三国志』とどう向き合ってきたのか興味がわきます。今回は宮城谷さんの雑誌記事索引を紹介します。
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 宮城谷さんの経歴と人柄がよく出ている記事がありました。

No1
インタビュー
特集 宮城谷昌光の「物語」 宮城谷昌光ロング・インタヴュー 1回 長い沈黙の果てに、古代中国と出会った
執筆者 宮城谷昌光
雑誌名 本の話
発行日 1996年04月
ページ 7-27
『本の話』1996年4月号では宮城谷さんの経歴がまとめられています。1967年に早稲田大学の英文科を卒業してすぐに処女作『春の潮』、つづいて『天の華園』を書きました。その間、小説家の立原正秋さんに師事しますが、その後は長い間執筆はせず、就職して雑誌編集者になり、1972年27歳のときに編集者もやめて郷里に戻ります。それから長い沈黙のあと1991年に『王家の風日』を出版。
記事ではこの約20年の間に自分の文学とどう向き合ったかが語られています。

No2
対談
宮城谷昌光 人を書く、国を見る 宮城谷昌光×宮部みゆき 「言葉」の生まれる場所
執筆者 宮城谷昌光/宮部みゆき
雑誌名 本の話
発行日 2002年12月
ページ 6-19
『本の話』2002年12月号は宮部みゆきさんとの対談記事になっていますが、おもしろいことに宮城谷夫人もその場にいたため、少し夫人の言葉も対談に加わる形になっています。
 記事によると、小説を書くために勤めていた出版社を辞めたが生活が苦しく、学習塾をやったこと。『天の華園』執筆の後1991年に『夏姫春秋』で直木賞を受賞したが、その後もしばらくは収入が足りず、『重耳』を執筆していたころは特に苦しかった、といった思い出などを語っています。
宮城谷さんは『湖底の城』『風は山河より』『香乱記』など大長編の小説を多数執筆していますが、宮城谷さんといえば『三国志』を思い出す人は多いと思います。
No3
インタビュー
ビッグ・トーク 宮城谷昌光、「三国志」の沃野に挑む
執筆者 宮城谷昌光
雑誌名 オール読物
発行日 2001年06月
ページ 130-137
No4
完結記念ロングインタビュー 「三国志」歴史に何を学ぶのか 構想10年、連載12年。畢生の大作が堂々の完結。多彩な組織論。人生論の生きる豊饒な正史の世界を語る
執筆者 宮城谷昌光
雑誌名 文藝春秋
発行日 2013年07月
ページ 152-165
『文藝春秋』で2001年5月に連載がはじまり、そこから12年、連載145回、全12巻で完結する宮城谷さんの『三国志』ですが、『オール読物』2001年6月号では「『三国志』の沃野に挑む」というタイトルでこれから連載をスタートするにあたっての心境や執筆のために準備した資料のことなどを語っています。
 そして『文藝春秋』2013年7月号は連載最終回が掲載された号で、それに合わせて「完結記念ロングインタビュー」が掲載されています。
記事によると宮城谷さんの『三国志』は陳寿が書いた『三国志』(正史)を基に書かれているそうです。『三国志』は吉川英治さんや柴田錬三郎さん、横山光輝さんをはじめ何度となく小説やマンガとなりましたが、それらは羅貫中の『三国志演義』が基となっています。
『三国志演義』は史実とは異なる着色が施されていて、物語がおもしろくなるように作られていますが、正史では史実に忠実なため有名な「桃園の誓い」「趙雲が劉備の息子を救う場面」、また「何千という軍勢を二人で止めた」といった描写はでてきません。ですが記事ではなぜ正史を基に物語を展開したかも語っています。
また、正史を基にするとなると主軸となる登場人物を劉備ではなく曹操にすることになるそうです。宮城谷さんの『三国志』は曹操の祖父・曹騰の時代からはじまり、最後は次の「晋」の時代に皇帝となる司馬懿の孫・司馬炎の登場までを物語にしています。曹操の祖父の時代というのは後漢中期であり、連載1回目を見た編集部の担当者は「これが三国志なのか?」と相当の衝撃を受けたそうです。

No5
インタビュー
『三国志』の世界 ※「三国志演義」に拠らずに書いた私の『三国志』、あらゆるものを捨てることで成りたった劉備の生き方、これから始める『三国志外伝』について
執筆者 宮城谷昌光
雑誌名 オール読物
発行日 2012年07月
ページ 104-109
『オール読物』2012年7月号では『外伝』『名臣列伝』について触れています。『三国志』は本流からはそれている場面でも登場する名臣のエピソードにおもしろいものが多くあり、単行本第6巻目から付録の小冊子で外伝を書きはじめました。さらに本腰を入れるため『オール読物』で『三国志外伝』の連載を始めたそうです。
そして『三国志』本文の方はなるべく史実に近い状態で執筆したが、これからはじめる『外伝』は自分の想像や推測をもう少し加えたいと語っています。
そんなシリーズも満を持して『蜀篇』の出版となり、いよいよ『三国志』の主役・劉備、そして関羽、張飛、諸葛亮、趙雲などの物語となりました。『文藝春秋』2013年7月号では「非常にくっきりとした人物像を持つ曹操とは対照的に、『三国志』を書く前にはよく分からない人物だったのが劉備です。」と語っています。
劉備という人は人徳のある人と言われていますが負け戦になると部下も家族も顧みず、一目散に逃げてしまいます。また、敗走の後に何人もの将に助けを求め、その後彼らを節操なく裏切ることを繰り返します。それでも劉備は人望を集め強力な武将を束ねた英雄です。
『蜀篇』では、そんな劉備を理解できた臣と、使えてはいたがついに分からないままだった臣が描かれています。多くのファンを魅了した物語の主役のはずですが、劉備玄徳の思考はやはり普通の将ではなく、『三国志名臣列伝 蜀篇』は改めて物語の神髄を理解する一助となるかもしれません。
宮城谷昌光さんの記事、その他です。

No6
書評
歴史書の棚 小説家ならではの推理で読み解く「三国志」入門書 ※宮城谷昌光『三国志入門』文春新書
執筆者 加藤徹
雑誌名 週刊エコノミスト
発行日 2021年05月18日
ページ 56
No7
書評/対談
宮城谷昌光×宮崎美子 歴史小説の悦楽 「孔子と孔丘」 作家と知性派女優が語る歴史小説の味わい方 ※孔子の生涯を描いた『孔丘』を刊行
執筆者 宮城谷昌光/宮崎美子
雑誌名 文藝春秋
発行日 2020年11月
ページ 314-321
No8
インタビュー
特別インタビュー 宮城谷昌光 最後の直木賞選考を終えて 自らの矜持と先達の教え、改めて振り返る直木賞秘話。そして最新長編『孔丘』へこめた願いとは…。
執筆者 宮城谷昌光
雑誌名 オール読物
発行日 2020年04月
ページ 460-463
No9
書評/インタビュー
ブックトーク 後漢後期の名将たちの命運 宮城谷昌光『三国志名臣列伝 後漢篇』文藝春秋
執筆者 宮城谷昌光
雑誌名 オール読物
発行日 2018年04月
ページ 93
No10
新春特別随想 「孔丘」執筆について
執筆者 宮城谷昌光
雑誌名 オール読物
発行日 2018年02月
ページ 68-70
No11
対談
『呉漢』刊行記念対談 宮城谷昌光×丹羽宇一郎 ビジネス界も学んでほしい“この皇帝にしてこの臣下あり” ※宮城谷昌光『呉漢』中央公論新社
執筆者 宮城谷昌光/丹羽宇一郎
雑誌名 中央公論
発行日 2018年02月
ページ 168-175
No12
書評
現代ライブラリー 日本一の書評 宮城谷昌光『呉漢(上・下)』中央公論新社 「忠誠」と「謙虚」で前漢滅亡後の中国を成りあがった男の一代記
執筆者 小梛治宣
雑誌名 週刊現代
発行日 2017年12月23日
ページ 107
No13
対談
人生100年時代を豊かに生きる 特別対談 宮城谷昌光×南場智子 『劉邦』から“ヒトの見抜き方”を読み解く
執筆者 宮城谷昌光/南場智子
雑誌名 サンデー毎日
発行日 2015年05月31日
ページ 110-115
No14
書評
現代ライブラリー 宮城谷昌光『三国志読本』文藝春秋 「時代のなかで人は動く」中国歴史小説の第一人者が、創作の原動力と哲学を語る
執筆者 山本博文
雑誌名 週刊現代
発行日 2014年06月14日
ページ 130
No15
書評/インタビュー
本の話 著者インタビュー 宮城谷昌光『三国志外伝』 「歴史上の人物」にはない視点が、物語に豊かな客観性をもたらす
執筆者 宮城谷昌光
雑誌名 文藝春秋
発行日 2014年06月
ページ 448-449
No16
インタビュー
宮城谷昌光[ロング・インタビュー]「項羽と劉邦、激動の時代」 ※時代により動かされた劉邦、乱世の時代の人材活用、司馬遷の文学性によるフィクション、歴史小説によってこそ見えるものなど
執筆者 宮城谷昌光
雑誌名 オール読物
発行日 2010年08月
ページ 104-112
No17
対談
「特別対談」信長とは、何者だったのか ※意識していた春秋時代の故事、日本人がまだ宗教人・仏教徒でありえた室町時代の人だったなど
執筆者 宮城谷昌光/吉川晃司
雑誌名 オール読物
発行日 2008年12月
ページ 176-186
No18
書評/対談
宮城谷昌光『新 三河物語』完結記念対談 名将の条件
執筆者 江夏豊/宮城谷昌光
雑誌名 波
発行日 2008年11月
ページ 32-37
No19
文春図書館 特別企画 何しろ、歴史好きなもので 宮城谷昌光が語る「史実としての三国志」 演義にない深い世界をみつけてほしい
執筆者 宮城谷昌光
雑誌名 週刊文春
発行日 2008年01月10日
ページ 162
No20
特別講義 曹操と劉備 三国志の世界 正史からみえてくる広大な世界、英雄達の素顔
執筆者 宮城谷昌光
雑誌名 文藝春秋
発行日 2004年11月
ページ 314-325
No21
宮城谷昌光 人を書く、国を見る 驚嘆すべき卒直さ…宮城谷昌光さんへのロング・インタビューから ※『宮城谷昌光全集』季報
執筆者 湯川豊
雑誌名 本の話
発行日 2002年12月
ページ 20-21
No22
酒中日記 授賞式の日(第35回吉川英治文学賞受賞)
執筆者 宮城谷昌光
雑誌名 小説現代
発行日 2001年06月
ページ 44-45
No23
対談
小林秀雄・100年のヒント 人間の真形 ※中也を通して小林を知る,思考の運動を描く,自然に対する考え方,孔子とベルグソン,信ずる強さが尋常でない人,他
執筆者 秋山駿/宮城谷昌光
雑誌名 新潮臨増
発行日 2001年04月01日
ページ 202-204/213-224
No24
書評/インタビュー
中国春秋時代のヒーローに学ぶリーダー論 話題の『沙中の回廊』著者インタビュー ※士会を描いた作品
執筆者 宮城谷昌光
雑誌名 週刊朝日
発行日 2001年02月02日
ページ 130-131
No25
書評
現代ライブラリー 宮城谷昌光『史記の風景』新潮社 中国古代史ものの第一人者が試みる『史記』全巻の通読で生まれた好随筆
執筆者 縄田一男
雑誌名 週刊現代
発行日 1997年05月31日
ページ 145
No26
SPECIAL INTERVIEW “第2の司馬遼”の不遇時代の秘密とは? 「サラリーマンにも『中国の知恵』を学んでほしい」
執筆者 宮城谷昌光
雑誌名 週刊現代
発行日 1996年04月06日
ページ 60-61
No27
ありがとう、司馬遼太郎 惜別!「歴史小説の偉才」司馬先生 憧れであり、目標だった戦後日本を代表する巨きな語り部
執筆者 宮城谷昌光
雑誌名 プレジデント
発行日 1996年04月
ページ 380-381
No28
インタビュー
東京人インタビュー 80回 宮城谷昌光 中国古典は知恵のかたまり。
執筆者 宮城谷昌光
雑誌名 東京人
発行日 1996年02月
ページ 10-14
No29
書評/インタビュー
著者インタビュー 宮城谷昌光『晏子』新潮社 人間の愛憎劇のみならず、国家論・組織論としても読み解ける
執筆者 宮城谷昌光
雑誌名 文藝春秋
発行日 1995年03月
ページ 458-459
No30
対談
「迂回の美学」に「悪のヒーロー」、ケタ外れの中国人物列伝 『三国志』と『重耳』に学ぶ処世の極意
執筆者 宮城谷昌光/井波律子
雑誌名 現代
発行日 1993年10月
ページ 188-195
Copyright (C) OYA SOICHI LIBRARY 2023


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