大宅壮一文庫索引班の日々困惑日記(6)ノーベル賞発表日はドキドキ問題
大宅壮一文庫の索引採録は担当制です。専門性の高い雑誌の索引を長く採録していくと、その分野に詳しくなります。例えばスポーツ担、美術担、歴史担(このnoteで書いているジャニーズ担もいます)などと、周りの職員に認知されるようになり、その分野ついて聞かれたり、率先して索引の修正やキーワードの整理を担うようになります。ただ、その担当はきちんと決められているわけではなく、周りが「あの人は〇〇担だよね」と共通認識を持つというだけの緩いものなんですけどね。
ちなみに私は周囲から経済、犯罪、スポーツ、オカルト、エロ・グロ・ナンセンス担当と認識されているようです。そしてもう一つ、科学・医学の担当にもなっているようです。そんな科学・医学担にとって、ノーベル賞の科学3賞が決定する日はドキドキものなのです。
ノーベル賞を日本人が受賞すると、各メディアからその人に関する資料請求が激増するのです。その受賞者の人名項目(その人の索引をいれる専用の箱、というイメージですね)がすでにあるならいいのですが、問題は人名項目がない方が受賞した場合です。資料請求に備えて急遽その人の人名項目をつくり、過去の記事を検索してその人名項目に移動し、きちんと記事が引けるようにしなければいけません。
朝イチで人名項目があるか確認、なければその人の名前で引いて記事を探し、それでも不十分だと感じたら、その研究内容で検索して記事の中にその人物情報がないかを探します。また索引を取っていない雑誌の目次などに目を通して、少しでもその人物に関係した記事がないかを探するのです。
日本人科学者による受賞は本当に喜ばしいことですが、私はちょっぴり緊張して毎年ノーベル賞ウィークを迎えております。
ちなみに、文学賞は全然緊張しません。ノーベル文学賞を取るような日本人作家はすでに人名項目がある有名人だからです。村上春樹さんなんて、1800件以上の索引がありますからね(2024年10月現在)。いつで受賞しても大丈夫です。大量に雑誌記事を提供する準備はできております。ただし、村上春樹さんのような誰もでも知っている人物については、わざわざ当館で検索しなくても、大手メディアの方はたくさん資料を持っているので、請求がそれだけあるかどうかかなり疑問ですが…
執筆(ぐるぐるねこ)