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コールセンターは職業訓練校です
これからお話しすることは、コールセンターで働いている方には少し酷な内容かもしれません。
「いや言われんでもわかるし、わざわざ言わんでよくない?」というお声が聞こえそうですが、現実をしっかり見据えて目標を据えて自分を成長させることで少しでも救われる方がいればいいなと思ってキーボードを叩いています。
タイトルにもありますが、コールセンターは職業訓練校です。
本日はその理由を、人員の特性、職務内容、持つべきマインドの3つに分けてお話ししていきたいと思います。
1. 9割以上が脱落者で構成されている
子どもたちに「将来の夢は何?」と聞いて「コールセンターで働くこと!」と答える子は何人いるでしょうか。
社会人になった方に、「どんな仕事をしたいですか?」と聞いて「電話でお客様とお話ししたいです!」という方は何人いるでしょうか。
おそらくほぼゼロに近いと思います。
泥臭い裏方仕事ですし、目立つ職種ではないですもんね。
Twitterで『コールセンター』と調べると愚痴アカウントしか出てきません。
ネットで調べればコールセンターのネガティブな実態がたくさん出てきます。
ここだけ見れば、大して魅力的でない仕事、むしろどちらかというと就きたくない仕事と読み取れるにも関わらず、コールセンターで働いている人は多いです。
ではどんな人が働いているのでしょうか。
あくまで体感での数字ですが、一度ネガティブな理由で仕事を辞めて再就職した人がコールセンターの9割を占めていると思います。
残りは新卒でコールセンターに配属された人や、初めてのアルバイトや派遣社員、パートでコールセンターを選んだ人です。
どちらかというと就きたくない仕事だからこそ、一度仕事をドロップアウトした人が働いているんですね。
※脱落、ドロップアウトという表現が不適切と思われた方、申し訳ありません
かく言う私も理想と現実のギャップに幻滅し教員を辞めた、ドロップアウトした人の1人です。
仕事を辞める理由というのは人それぞれだと思いますが、自分の経験上、ビジネスマインドのどこかしらに欠損があります。
私の場合は仕事に対する責任感の無さという欠損がありました。
そういった何かしらの欠損を抱えた人たちが働く場所、それがコールセンターです。
2. 自分を成長させることが仕事
コールセンターで働く人の仕事内容は、職位によって変わります。
【オペレーター】
・お客様との対話
・対話履歴の記録
・依頼された内容の処理
【チームマネージャー】
・応答率の管理
・オペレーターの品質管理
・オペレーターの効率管理
・オペレーターの質疑対応
・チームに関する内容の処理
【シニアマネージャー】
・応答率の管理
・チームマネージャーの管理
・レイヤー全体の管理
コールセンターによって内容は変わると思いますし、役職の呼称も違うでしょうが大体共通するところはこんなものでしょうか。
どの役職にも言えることですが、対話力と処理能力、そして何よりも忍耐力が必要とされています。
オペレーターさんはどのようなお客様でも最後まで対応しきる忍耐力、チームマネージャーはオペレーターさんを成長させるアクションを継続していく忍耐力、シニアマネージャーはチームマネージャーが成功するまでのバックアップを継続する忍耐力、といったようなイメージです。
コールセンターの仕事内容は、前項でお話しした、人それぞれの退職理由が全部網羅されています。
私はクレーム対応になると嫌で嫌で仕方がありませんでした。
「なんでこんな無駄なことしなきゃいけねーんだよ」「長時間対応でAHT伸びちゃうよ...」「このお客様と話しても売上に繋がらんしな」
対応を早く終わらせたい一心でした。
ですが、考え方を変え、どっしり構えてしっかりお客様のお声に耳を傾けることで、お客様の気持ちが鎮められたり、そもそものクレームが発生しなくなりました。
仕事に対する責任感がお客様に伝わったのだと思います。
その瞬間、前職を退職する要因だった自分の欠損箇所が修復された気がしました。
みんな自分に甘いんです。
特に甘い人がコールセンターで密になっています。
オペレーターさんも管理者も。
甘かった自分をしっかり見つめ、成長させるように仕事しましょう。
自分の欠損箇所に気づき、直すことができる人だけが前進でき、気づかず不満を持ち続ける人は現状を抜け出せず、あるいはさらに脱落を積み重ねます。
3. 「自責の念」を持って仕事しましょう
Twitterで以下のように呟きました。
コールセンターで働いている人は皆、ビジネスマインドとして「クレーマーは存在しない」を根底に持つべき。
— Kazumi@カスタマーサクセス (@OxygenizeU) May 15, 2020
どんなに理不尽なお客様でも、カスタマージャーニーを遡ってみればどこかに顧客体験を損ねた出来事があり、そしてそれは問い合わせ先の過失。
他責にしても成長しないし存在意義が曖昧になる。
お怒りなお客様を目の前にするとこちらも負の感情を抱いてしまいますよね。
その気持ちは痛いほど分かります、私がそうでしたから。
でもそこで「なんだよこいつ...」や「今日も嫌なお客様がいました」で終わらせたら結局あなたの欠損箇所は直らないんです。
欠損箇所が治らなければ、あなたは一生そういったお客様を相手に対話を続けなければなりません。
「どう対応すればよかったか」を一生考え続けてください。
「冒頭からお怒りだったけど、それを鎮められなかった自分が悪い」
「商品に対するクレームだったけど、きちんと気持ちを汲み取った言葉がかけられなかったから電話が終わるまで怒られ続けた、自分が悪い」
「待ち時間が長いことに怒られたけど、お客様に寄り添った対応ができてなかったから怒られたまま電話が終わった、自分が悪い」
常に「自責の念」を持って、どう自分を修正していくかを考え続ければ、自然に応対品質が良くなり、クレームがなくなります。
そしてクレームがなくなり始めてから気づくでしょう。
「あ、自分の対応が悪かったからクレームを呼び寄せてたんだ」と。
これは管理者に対しても同じことが言えます。
「あいつ、いつまで経っても対応良くならないな」「相変わらずAHT長いな」「いつになったら勤怠良くなんだよ」と一瞬でも思ってしまったあなた。
ちげーよ!お前の管理が杜撰なだけだろ笑わせんな!
お前のせいでオペレーターさんがいつまでも苦しい思いしてるんだからな。
お前が努力不足なだけ、お前が仕事できてないだけ、そんな考えを持ってる時点でお前は人の上に立てる器じゃない。
おっと失礼、何者かが憑いたようです、気にしないでください。
とにかく、管理者の皆さまは「自責の念」を持って忍耐強くオペレーターさんにコミュニケーションを取っていきましょう。
オペレーターさんを成長させることができれば数字に表れます。
数字に表れればチームの成績が良くなります。
チームの成績が良ければ上司の目に止まります。
上司の目に止まれば...あとはわかりますね?
4. つまり何が言いたいのか
ここまでをまとめると、
・コールセンターで働く人の9割が脱落者
・脱落者はビジネスマインドに欠損がある
・コールセンターの仕事はその欠損を修復させる
・修復させるためには「自責の念」が必要
・「自責」こそが自分を成長させる
・成長の先には良い未来しかない
となります。
職業訓練校に『資格』や『技術』を学びに行き、自分のやりたい職業を目指すのと同じ理屈で、『ビジネスマインド』を学びに行き、より良い仕事ができるよう目指す。
これがコールセンターが職業訓練校である理由です。
長々と書かせていただきましたが、仕事の大変さはあなたの仕事に対する心構え次第です。
しっかり「自責」していきましょう。
あなたの仕事が少しでも楽になりますように。
では、よい1日を。