返事に意識しんさい
電話対応に慣れてくると、お客様の心境の変化に気づくことがあると思います。
最初はそうでもなかったのに、段々口調が早くなったり、荒くなってきたり、言葉が乱暴になってきたり...。
これは、「あなたとの会話は不快だわ」「あなたの対応は好きじゃない」「早く電話を終わらせてあなたとの会話から逃げたい」という気持ちの現れです。
そんな気持ちを抱かれてしまったが最後、あなたが「私はそんなつもりで話していない」と思っていても、クレームに発展してしまいます。
なぜそんな気持ちになってしまったのでしょうか、いえ、なぜそんな気持ちにさせてしまったのでしょうか。
その要因の1つとして返事の仕方が考えられます。
対面のコミュニケーションだと相手の表情が見えるため意識せずともスムーズに会話は進みます。
電話対応は声だけしか相手に届きませんので、他の情報がない以上シンプルな返答でさえ相手の気分を害してしまうことがあります。
今日は正しい返事の方法を勉強していきましょう。
①お客様の発言の「、」「。」「!」「?」に注目しよう
「すみません、これを注文したい...」「かしこまりました!」「...のですが」
「これはどうやったら直る...」「それはですね!」「..んでしょうか」
返答のタイミングがおかしいと管理者からフィードバックされることはありませんか?
それは、電話対応の経験が積み重なり、慣れたことで相手がこれから何を言おうとしているかが予測できるようになったからです。
予測は非常に良いスキルです。
これからの対話の流れを考える余裕にもなりますし、問い合わせの解決方法がイメージできるようになります。
ただ、「あー、お客様はこういうことが言いたいのね」と答えがわかってしまうからこそ、お客様の質問に被せるように「そうです」と回答してしまったり、お客様が話している途中なのに被せて発言してしまうんです。
せっかく予測できるようになったのですから、適切なタイミングで返答できるよう発言の終わり方に意識を向けてみましょう。
会話には必ずお客様が話されるターンとオペレーターさんが話すターンがあります。
お客様が話されている間は句読点(「、」「。」)や感嘆符(「!」「?」)を意識することでいつ自分のターンになるかを予想します。
句読点や感嘆符が聞こえてくるまで意識し続けてください。
「。」「!」「?」の3種類が聞こえた時は返事をしてあげるチャンスです。
「、」では相槌してあげましょう。
職歴が長い人ほど返答のタイミングに意識が向けられていません。
今一度基本に帰って実践してください。
②日本語の構成・息継ぎに注目しよう
「今朝起きたらテレビの電源がつかなかったの。昨日の夜中はついてたのよ。水曜のダウンタウン見てたから間違いないわ。リモコンの電池変えてもつかないの」
日本人の会話、特に相手に何かを解決してほしい時は、状況・経緯・試みをいっぺんに話されることが多いです。
「お客様はまだ話している途中だからもう少し聞いてあげて」と管理者から注意される方は、状況・経緯・試みを注意深くチェックするといいと思います。
また、「。」の後に続けて話したいときと、相手に会話を譲るときは、息継ぎの時間が全く違います。
上記の例では、「。」の前後と「リモコンの電池変えてもつかないの」の後の間(ま)が違うということですね。
今このnoteをご覧いただいているあなたも、文章だと伝わりづらいですが日常生活でこの微妙なニュアンスに気づいているはずです。
お客様が、お客様のターンで何をどこまで話したいのかを予想し、こちらのターンがきてから返事をすることで、不快感をなくせます。
③声に表情をつけよう
持論ですが、役者・声優・営業等、人に会話を見せる職業に就きたい方は電話対応勉強した方がいいと思ってます。
絶対その後のキャリアに活かせます。
そして、コールセンターで働く人はみな役者だと思ってください。
喜怒哀楽を声に乗せましょう。
声に表情がある対応は、お客様にロボットではなく生きた人間と会話していることを再認識させられます。
それだけで人って安心するもんです。
恥ずかしいと思っている方、思ってないけど心理的にストップがかかる方はもう伸びしろありません。
つまりそれ以上は給料上がらないってことですね。
注意しなければならないのは、お客様の感情に合わせて表情をつけること。
お客様が笑っていれば、声に笑いの表情をつけ、
お客様が困っていれば、声に残念そうな表情をつけ、
お客様が怒っていれば、声に申し訳なさそうな表情をつけるといった感じです。
返事1つでも気をつけなければならないのが電話対応が大変である所以ですよね。
ですが、真剣に応対品質を向上させれば、これからの出会いにも、会社の業績にも、お客様満足度にも良い影響が出るでしょう。
あなたの電話対応が少しでも楽になりますように。
では、よい1日を。