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留学を憂うに

年末に祖父が100万円を用意して電話をかけてきた。生命保険を一つ解約して用意してきたらしい。「これで半年留学行ってこい」と半ば脅されたが、向こうの大学に半年まともに通うと300万円くらいかかる驚愕の事実を知る。自分で払っている学費の補填に回したかったけど、せっかくの懇意を無碍にするのは可哀そうではあったので、夏休みに1か月マルタ島に留学に行くことにした。

裕福な家庭では一切ないので留学に行く機会に恵まれるなんて夢にも思っていなかった。行けるのであれば…

①本気で英語を学べる環境に身を置きたい
②外国人留学生の知り合いを増やしてみたい
③日本では絶対できないアクティビティや史跡観光に参加したい
④旅行先にも上がりにくい穴場に行ってみたい

以上の勝手な条件を満たせる場所を交渉した結果、マルタ島になった。位置としてはイタリア・シチリア島のもう少し南側。ローマまで飛行機で1時間の距離のゴリゴリ欧州圏なのに英語圏という驚きの地。ここ数年で日本人の間でもセブ島に次ぐ留学先の候補になっているんだとか。

留学先で英語力が飛躍的に伸びるとは毛頭思っていないし、本気で上げたいならNOVAみたいな英語塾に行くのが手っ取り早い。肝心なのは留学体験を通して人間力を伸ばすかだと思うんだよねー。語学に対する姿勢も変わるだろうし、日本とは全く違う文化体験で身をもって理解できる。その差異を一日本人がどう受け止め言語化でき止揚できるか。また史跡で歴史を学び新たな関心を生み、再び旅に出る。そんな理想を留学で実現させようかと準備を始めていた矢先、新型コロナウイルスが蔓延し始めた。

マルタ大使館は管轄がイタリア大使館に含まれるため、イタリア同様の入国措置が取られている。物理的に日本から海外には行けない。ただ収まったところで満足に楽しめるかどうかも不安が残る。間接的であろうと東洋人差別の類は受けるはずだ。本来の趣旨とはずれてしまい無駄に費用が掛かるだけだ。

それでもまだキャンセルは留まっている。95%行けないと分かっていても。

大学卒業までにまた留学へ行く機会は訪れるだろうか??「チャンスは自分で掴むもの」という理論に則れば、3年の夏にゼミやインターンを放棄して行けばいいか。せっかく舞い込んだ機会なのにこのままいけば卒業までにはスケジュール的には行けない算段だ。時間があってもそこらへんの慶應生と違いこれ以上の資金は無い。わがままに地団太を踏んでいるのが現状だ。奇跡的なウイルス撲滅を待望しているが、おそらく6月までにはキャンセルの手続きに踏み切る予定だ。


留学が全てではない説

自分の不注意でもないし、今回の留学キャンセル事案は誰が悪いというものでもない。最近は留学は別に行かなくてもよくね?と(前向きに)代替案を探っている。今から死ぬ気で稼いで就活終了後に1ヶ月世界旅行にでも行こうかという魂胆がある。

冷静に考えれば2年生の夏は一番遊べるのに、留学へ行かなければ基本的に暇である。埋め合わせが大変だしおうち生活を引きずるわけにはいかない。早くコロナが消え去りまた沖縄なんかに行けたらいいけど。多分きつそう。


過大評価

留学に際してオンラインテストを受けた。Readingは人並みくらいだが自己紹介くらいしか話せないと自分の英語力を認識していたが、テストのスコアを見ると…

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心底謎である。TOEIC500くらいに見積もっていたがこれだと優に800は超えてしまう。受験後は留学まで週1でマンツーマンの会話?講座を取れるらしいが、受験結果で「C1レベルの授業は用意していません」と言われてしまい過大評価を受けてしまった。

人は単純なもので褒められると自然とモチベーションが上がるものだ。留学の有無にかかわらず、調子に乗って最近は英語学習に励んでいる。大学受験は英語が足を引っ張り第一志望も落ちたザマだが、ここは一度足かせが外れた今、自由に学んでいこうかと思う。せっかく五輪が延期したんだ。語学力を鍛えて、アフターコロナの世界で五輪スタッフでもやってみようかと決意してみたりもする。

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