中南米の先住民の天然素材のふくろ
その土地土地に自生する丈夫な植物繊維からできた糸で編んだふくろ。植物独自の触感があり、色があり、それぞれに良い味があります。
私たちが日常使っている綿だって植物からできているので、珍しくないはずなのですが、知らない植物から作られた糸で編まれたふくろに異常に関心を持ってしまいました。
中南米にはこのような手仕事がいろいろあります。特に先住民は、昔から受け継がれてきた知識で、どの植物が織物に向いているのかを知っており、今でも彼らが日常使用するふくろを編んでいます。それぞれがどんな天然素材なのかに興味がわき、調べてみた結果が下記のリスト。一つ一つの詳細はまた別の機会にするとして、今回は植物とふくろを画像で紹介。
植物名:エンバウーバ - ブラジルのマシャカリ族
マシャカリ族は、ミナスジェライス州北部に居住。この部族の女性は、エンバウーバという木の皮を削って糸を作り、ふくろや魚を取るための網などを編みます。
エンバウーバの木
植物名:チュポン - チリのラフケンチェ族
チリのアラウカニア地方、ブディ湖周辺に居住するラフケンチェ族の手仕事は、チュポンという植物からピルワと呼ばれるふくろを編みます。
チュポン
チュポンでできたふくろ、ピルワ
植物名:カラグアタ - パラグアイのアヨレオ族
パラグアイのアヨレオ族は、カラタグアの葉から糸を作り、袋を編みます。彼らの袋の特徴は、動物や自然などを表現している幾何学模様。
カラグアタ
アヨレオ族のカラグアタでできたふくろ
植物名:チャグアール - アルゼンチンのウィチ族
アルゼンチン北部の平原地帯グランチャコにはウィチ族が居住しています。この地帯に自生するチャグアールから糸を作り、織物を作っているのがウィチ族です。彼らの手仕事も幾何学模様。
チュポン(パラグアイのカラグアタと似ている植物)
ウィチ族のチュポンでできたふくろ
植物名:クマレ - コロンビアのコレグアヘ族
コロンビア南部のカケタ県に居住するコレグアヘ族は、ヤシの木の一種クマレから糸を作ります。三日月の夜に収穫するのだそうです。
画像の背の高い木がクマレ
コレグアヘ族が作るクマレのふくろ
植物名:ピタ - パナマのンガベ族
パナマの先住民ンガベ族はピタという植物から糸を作り、チャカラと呼ばれる袋を作ります。
植物、ピタとンガベ族のふくろ、チャカラ
ブラジル、チリ、アルゼンチン、パラグアイ、コロンビア、パナマで天然素材の糸で編まれたふくろが見つかりました。ブラジルでは、先住民たちがブリチというヤシの木の一種でハンモックを編んだりもします。もっと探せば、もっと出てくるかもしれません。また見つかったら、紹介したいと思います。
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