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Amazonファーマシーについて、現役の調剤薬局オーナーが考えてみた

こんにちは、株式会社OX3代表の真田です。
先日Amazonファーマシーがリリースされましたね!
ずっと言われてはいましたが、ようやく正式にローンチされた感じです。

業界の中でもかなり大きな話題になっております。
そこで早速ではありますが、現役の薬局経営者かつAmazon大好きヘビーユーザーの僕が、Amazonファーマシーの来日と予測する未来についてざっくばらんに書いていきたいと思います。

Amazonファーマーシーについて

「オンラインで処方箋を。」ということで、正式にAmazonファーマシーがローンチされましたね。

サービスの概要を簡単にご紹介すると、

  1. クリニック(対面診療・オンライン診療どっちも可)で診察を受ける
    電子処方箋を発行できるところ限定
    ※Clinicsと提携している

  2. 電子処方箋の控えを、Amazonファーマシーからアップロードする

  3. 薬局を選んでオンライン服薬指導を予約する
    ※大手薬局チェーンを中心に約2500店舗の提携薬局から選べる

  4. オンライン服薬指導を受ける

  5. お薬を配送(配送料有料)で受け取る

※太字がポイントになるかなと考えています

Amazonファーマシーの各種ポイント

電子処方せん限定について

かなり遠い未来を見ているなと感じました。目下の利益よりも、国や多くの医療機関に対して「電子処方せん推し進めろよ?」という気概がビンビンしてきました。
業界のトッププレイヤーたちと組んでいる部分もあって、おそらく規制改革含め色々策は講じてくるのではないかと考えています。

ただし、電子処方せんが発展するにはまだまだ時間がかかるかなーという印象ではありますし、実際にスピード感が早まるかは様子を見ないとわかりません。

Clinics提携について

現状、入り口である「病院・クリニック選び」に関しては、Clinicsに依存している感じかなと思います。だとしたら、正直Clinics単体でUX自体は問題ないんですよね。

強いていうのであれば、Amazonのロジが使えるところは進化ポイントではあると思いますが、それ以上でもそれ以下でもないなという感想です。

提携薬局について

アイン薬局、ウエルシア薬局、共創未来、クオール薬局、新生堂薬局、薬局トモズ、V・ドラッグ、薬樹薬局、ユニスマイル薬局

この辺の薬局が、提携薬局として並べられていましたね。大手調剤薬局チェーンや大手ドラッグストアがメインです。

僕自身もAmazonファーマシーを自宅近くで探してみましたが、
「正直これなら取りに行けば良くない?」という感想でした。皆さんも検索だけでもしてみるといいと思います!

配送料について

現状配送料がかかる形になっておりますが、正直今後配送料が安くなるイメージはないですね。
というのもAmazonフレッシュが比較的近いサービスかと思いますが、配送料設定は下記の通りになっています。

最低注文金額は4,000円で、プライム会員の方は、通常配送料490円、1回のご注文が10,000円以上で通常配送料が無料になります。プライム会員以外のお客様は通常配送料690円、1回のご注文が10,000円以上で通常配送料が200円です。

もしかしたら配送の種類(お薬の種類)によっては無料にできる可能性はありますが、スーパーマーケットと違って買い足したりなど患者側で調整できるものではないです。そのため、プライム会員は無料みたいなことはあっても、しばらくは配送料は一律かかるのかなと思っております。

Amazonファーマシーの評価

現状の機能では、Amazonファーマシーが近い将来流行るイメージは湧いておりません。個人的にはAmazonフレッシュが大きく流行っていないくらいには、既存システムのリプレイス難易度は高いんじゃないかな?と思っています。
※日本ってほんと特殊市場ですよね

僕自身も一時期はAmazonフレッシュ使っていました。
ある一定の条件下ではかなり便利だったので。その条件というのが、

  • 近くにスーパーマーケットがない

  • 比較的自宅にいるタイミングが多い

  • 自炊生活をしている

です。今は引っ越したりなんなりで全部満たしていないので、使えていません笑

そう考えると、

病院に行っているのに、近くに薬局がない

という状況を満たすことが結構難しいんじゃないかなと思っております。(特に栄えている地域では)

そうなるとオンライン診療が発展しない限りは、かなり利用が限定的になってしまうのではないかと思っております。

Amazonファーマシーの今後

Amazonファーマシーが流行る条件は、

  • オンライン診療の発展

  • リフィル処方箋の発展

  • 電子処方箋の標準化

この3つが必須かなと思っております。

まずオンライン診療の発展の観点から行くと、一番流行るのは
Amazonがオンライン診療を始めちゃう
です。

これは正直かなり流行るイメージはありますね。Amazonアプリ上でオンライン診療とヘルスケア管理、関連商品の購入とかできたらかなりイけてるなと思います。

リフィル処方箋の観点では、病院クリニックに行く過程をスキップすることになります。つまりオンライン診療と同じく、「自宅完結」が実現できるようになるわけです。

そうなるとAmazonファーマシーの存在意義がかなり出てくるんじゃないかなと思っております。
そして上記の過程で、電子処方箋が標準化されていくといいなと思っております。

最後に

個人的には頑張ってこの業界を変革してほしいなという気持ちが一番大きいです。ただしその道のりは決して簡単なものではないと思います。
引き続きAmazonファーマシーの動向は追っていこうと思っております。

次回、Amazonファーマシーによって調剤薬局の未来はどう変わるか?
について書きたいと思いますので、楽しみにお待ちください!


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