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英文法の基礎を学ぶことの難しさ

大学受験生が英文法の基礎を学ぶことは難しいものです。まず、英文法の基礎を学ぶ必要があると認識している受験生が少なく、見た目の需要が少ないために塾や予備校でそうした講座を開講しないところもあります。講座が少なければ、それを教える講師も少なくなります。こうなると、英文法の基礎に関する専門的な知識を持たない講師が多くなります。塾や予備校の講師は教員免許が不要ですから、英語の講師には特にさまざまな学部の出身の先生がいます。このため英語学・言語学を学んでいない人も多く、英文法の基礎を教える機会がなければ、改めて専門知識を身につける機会がないままになります。

先日こんな記事を書きました。

実はこれはかなり残念な話で、教えている方も教わっている方も最善を尽くしているはずなのにうまくいかないという状況に陥りがちなのです。

いや、英文法の講座なんてどこにでもあるだろう、と思いの方もいらっしゃると思います。英文法講座の多くは大学入試の文法問題を配列した教材を使用します。このため文法問題として出題されることが少ない文法知識は重要なものであっても教材には載りません。読解問題の英文には頻繁に見られるのに文法問題に出ていなければ英文法の講座で取り上げられないこともあるのです。文法現象の使い方が包括的なものでなければ、その基盤となるしくみの扱いも脆いものになります。そしてその脆さに教える側も教わる側も気づかなければ、講座の受講満足度は下がりません。しかしそれでは入試には通用しない、ということもあるわけです。


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