いったん、やめてみる
大学受験生向けの学習アドバイスの多くは、強い先生から強い受験生に向けて発せられるものです。これは大学受験が決して甘いものではないことを証明するものでもあります。強い受験生しか受からないのです。
ここでいう「強さ」とは、柔らかい言葉で言えば、気持ちの問題です。気合いとか根性というような言葉で言い換えてもいいでしょう。令和の時代では根性論に積極的な評価が下されることは少ないですが、根性を発揮できる人は発揮して、学習を続けていけばよいのです。もちろんただがむしゃらにやるのではなく、その都度適切な学習を実践するという条件は伴います。
問題は、気合いとか根性ではどうにもならないくらいの状況にある場合です。これは学力的な問題ではなく、受験勉強自体にどうしてもやる気が出ないという場合です。根性や気合いでやっていくうちに自然に勉強に打ち込めるようになっていくのであれば問題ありません。問題はそういう状況に移行できない場合です。
これはメンタルの不調が原因であることもあります。そして同じくらい多いのが、自分の中で大学受験の優先度がそれほど高くないことです。口では大学に行きたいとは言っているけど、実は別にそんなに行きたいわけではないという人は意外に多いようです。このような人に提案したいことは、いったん受験をやめてみるということです。直近の年度の大学入試を目指した受験勉強からいったん離脱する。そして、趣味に生きたりバイトをしたりしてみる。教習所に通って運転免許を取得する。この間に自分の今後についてもう一度考えてみる。それでやっぱり大学に行きたい、と思うようになるのか、いや就職しようかな、と思うのか。そういう時間を設けたほうがよいのかもしれません。
もしこの記事をお読みの方で、大学受験生の保護者の方がいらっしゃいましたら、こういうこともあるのだということをお含み置きいただければと思います。