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提案:「文型」の学習順序
はじめに
英文法のお話。以前は中学校の教科書でbe動詞と一般動詞のどちらを先に学ぶかが議論されていました。現在は「いきなり両方」なのでこの議論は強制終了しています。しかしながら、教科書での知識の扱いが変わっても、学ぶ側がみんないきなり高速学習に対応できるわけではありません。
日本語では、述語のパターンに次の4つがあります。
述語→動詞/形容詞/形容動詞/名詞+だ(である/です)
形容詞と形容動詞は活用の違いと考えれば、述語に用いる品詞によって動詞文・形容詞文・名詞文の3種類に分類できることになります。このうち動詞文が主に英語の一般動詞の文に対応し、それ以外が主にbe動詞の文に対応します。
一般動詞の文
一般動詞の文は、典型的には「名詞+動詞+名詞」というパターンで用いられます。動詞を真ん中に置いて、左右に名詞を配置します。このうち、動詞の左側の名詞が主語で、右側の名詞が目的語となります。これが英語で最もよく用いられるパターンです。
人々が英語を話す。
People speak English.
動詞によっては右側に名詞を置かずに「名詞+動詞」だけのパターンをとるものもあります。このパターンにおいても左側の名詞が主語です。
人々が働く。
People work.
これらのパターンで生じる動詞は述語動詞と呼ばれる文の主動詞で、ここで現在や過去という時制を表すことになっています。ここまでで、2つのパターンに触れたことになります。
主語+述語動詞+目的語
主語+述語動詞
be動詞の文
日本語では形容詞や形容動詞も述語として用いることができますが、英語の形容詞は述語として用いることができません。これは英語の形容詞は時制を表すことができないからです。英語では時制は動詞でしか表せないので、文の中には必ず動詞を用います。このときに用いる動詞がbeです。
これはおいしい。
This is delicious.
これはおいしかった。
This was delicious.
日本語の「名詞+だ」の「だ」は〈断定〉の助動詞ですが、これも英語では動詞のbeに対応します。
これは鶏肉だ。
This is chicken.
こうしてみてみると、beは英語では動詞の扱いですが、対応する日本語を見ると動詞に対応しないことが多いとわかります。これらのパターンではbeが述語動詞となります。述語動詞は時制を表すため、1語で用いる場合は主に、現在を表すam/is/are、または過去を表すwas/wereのいずれかで用います。beは原形なので現在形・過去形の5つの語形よりも使用頻度が低く、「ビー動詞」と言われても「エー動詞」とか「シー動詞」はないのか、みたいな戸惑いが生じたりするわけです。
問題はbeの後に置かれる語句の扱いですが、これは「主語+be」では意味的に完結しないために補う語句という位置づけで補語と呼ばれます。
主語+be+補語
ここまでのまとめ
ここまでに扱った文のパターンは次の3つです。
主語+述語動詞+目的語
主語+述語動詞
主語+be+補語
高速学習カリキュラムに移行する前の中学校の教科書では、2年くらいかけてこの3つのパターンに習熟しながら文型以外の文法知識を学んでいくように設計されていました。いきなり「5文型」などと言わずにこのあたりからゆっくりと英語のしくみに頭を、そして手や目や耳や口を慣れしていくところから始めていくのも悪くないと思うのですが、いかがでしょうか。