英語の「文型」のこと
英文法を学ぶ際に「文型」が重要と言われます。「文型」から始まる英文法教材もたくさんあります。
英語の基本的な語順は、英文法の中でも真っ先に学ぶべき知識です。「名詞+動詞+名詞」で動詞の左側にある名詞が主語、右側にある名詞が目的語です。動詞の意味によっては左側にだけ名詞がある「名詞+動詞」というパターンがあり、この左側の名詞も主語です。日本語では形容詞や形容動詞が述語になることもありますが、英語ではbeという動詞の力を借りて「名詞+be+形容詞」というパターンになります。日本語の「名詞+だ/である/です」は英語では「be+名詞」となるので「名詞+be+名詞」というパターンも存在することになります。これらのbeを用いたパターンでは、beの後に続く形容詞や名詞は補語として分析されます。もっとも「主語」「目的語」「補語」という用語は最初は知らなくても問題にはなりませんが、小中学校で学んだ国語(日本語)の文のしくみと対照させるには押さえておくと便利でしょう。
上の段落で触れたのは、いわゆる「5文型」でいうところの第1文型・第2文型・第3文型です。当面はこれで十分とも言えます。5つの文型を並べて覚えることは後でもできますし、そもそも文型を5通り設定することが妥当なのかという問題もあります。英和辞典では「第1文型から第5文型までの7つの文型」という枠組みを採用しています。これは実質7文型なのですが、第1文型と第3文型に派生パターンが存在すると考えて公称5文型として、既存の枠組みとの互換性を保っています。ただし英和辞典の本文には文型の番号は表示されていないので、「第n文型」というような番号での記憶は不要です。
基本文構造と、その文構造で重要な位置を占める動詞のパターンを学ぶこと。これが大切なのであって、「5文型」はそのための手段に過ぎません。「5文型」を早めに導入するほうが教えやすい先生が多いのも事実ですが、学習者側も学びやすい学び方で学べばよいのです。文型を演繹的に学ぶのか帰納的に学ぶのか、あるいは「5文型」という枠組みを利用せずに学ぶのか、本来は柔軟にやっていけばよいと思うのです。これを実現する学習書もありますし、先生方もさまざまな考えをお持ちですので、いろいろな学び方ができるはずです。