単語と文法
今回は、単語の学習法についてのお話です。特に、文法との接点をできる限り意識することについてお話ししていきます。
単語は、文の中でどう使うのかに関する知識とともに学ぶことが大切です。単語は例文で学ぶと言われますが、その理由は使い方を合わせて学ぶことが重要だからです。ことばは、断片連鎖である日常の私的な会話を除けば「文」を単位として使います。このため、それぞれの語の文中での使い方を、語の意味や綴り、発音などと合わせて学ばなければならないのです。
「文型」は、動詞や形容詞を学ぶ際のガイドラインのような役割を果たすものです。その意味では、従来からの「5文型」では少し目が荒いようにも思います。英文法書のなかには5文型の枠組みを採用していないものもありますが、これは動詞や形容詞の使い方を学ぶ、という「実」のほうを、文型学習という「名」よりも重視した結果なのでしょう。持田もその立場を支持したいと思います。
動詞や形容詞の場合、意味と用法はある程度関連があります。最近はそれぞれの語の中核的意味を提示してくれる辞書や単語学習書もあります。この中核的意味には言語学的に抽出した現代英語の「核」としてのものと、語源から歴史的に得られる「原義」としてのものがあります。学習効率では前者が重要ですが、ことばの背後にあるロマンスのようなものを楽しみながら学びたいという人には後者も決して無駄ではないと思います。
こうした意味が、それぞれの語に特有の構文パターンに反映されます。複数の構文パターンをとる動詞の場合は、パターン相互の関連性や意味の違いにも注意を払うようにする必要があります。こうした学習を一つの学習書でまかなうのは難しいですが、複数の本や辞書を併用すれば十分可能です。持田の授業でもこのような学びを支援していきたいと思っています。