文理解から文章理解へ
大学受験英語のお話。この夏までに英語の文理解ができるようになった人は、次の段階として文章理解ができるように学習を進めていきます。文を適当に並べても文章にはなりません。文に然るべき語の配列があるように、文章にも然るべき文の配列というものがあります。こうした文章のしくみを学ぶのがこの段階の学習です。
文脈を追う、といいますが、これには文と文とのつながり(結束性)と文章全体のまとまり(統括性)という2つのしくみで支えられています。「まとまり」は「つながり」によって支えられています。文理解においては理解に必要な文法としては英語の形式面に焦点を当てた「構文」と呼ばれるものが中心でしたが、文章理解においては文法の意味的な側面などにもいっそう意識を向けていく必要があります。語彙についても、包括的・抽象的な概念を表す語と個別的・具体的な概念を表す語を区別し関連づけて読んでいく必要があります。また前の文の内容を受けるために、前の文で用いていた動詞の名詞形を主語とすることもあり、派生語を学ぶ必要性も実感することになるでしょう。
文章理解の学習を通じて、文理解の甘さに気づかされることもあります。あまりにも文理解が拙すぎて文理解の学習に戻らざるを得ないこともあります。逆に文理解の精度が高く、自然につながりやまとまりが掴める水準に達している人もいるかもしれません。特に文表現の学習と並行して文理解に取り組んできた人は文法力が高いためにこうした傾向が顕著になります。文章理解への取り組みは人それぞれですが、受験英語的には得点力の基盤を確実に構築していく重要な学習です。