中之島
2月にオープンした話題の「大阪中之島美術館」に先日行ってきました。審美眼など持ち合わせていないミーハーの私でも「おぉ〜すご〜」ってなりました。また面白そうな企画展があれば見に行きたいですね。
中之島は大阪都心の北寄りに位置する、東西に細長い中洲です。江戸時代には蔵屋敷が建ち並び、近代以降はその跡地を活かして官公庁やビジネスの街となりました。中央公会堂や日銀支店、図書館、意匠を凝らした橋など近代大阪の繁栄が感じられ、川を挟んだ北船場(こちらも空襲を免れた近代建築が多い)と合わせて、散歩が楽しいエリアです。川の水は汚いですけど……(苦笑)。
さてその中之島。共通語の発音では「鬼ヶ島」や「種子島」のように「島」の部分で下げることが多いようですが、以前NHKのブラタモリで中之島が取り上げられた際にはツッコミが入りまくっていました。
「中之島→」や「アクセントなし」という反応から、「中之島」の発音は「島」で下げない、「江ノ島」のような平板型だというのがうかがえます。
しかし、もしも関西弁での発音を完全に再現しようとするなら、「下げるか下げないか」だけでは実は不十分です。関西弁のアクセントには「下げるか下げないか」に加えて「高い音から始めるか、低い音から始めるか」という要素もあります。つまり、共通語の平板型に相当する関西弁の発音は、2通りあります。
・[なかのしま(うわずった感じの発音)
・なかのし[ま(尻上がりの発音)
さて、どちらなのでしょうか。実際に関西弁ネイティブが喋っているのを聞いてみましょう。
・・・どっちでも言うてはるがな。
実は私も、基本的には「中之島」を「うわずった感じの発音」で言っていますが、「尻上がりの発音」でも言うことがあるんですよね。どちらでも言いやすい。
ただ、私の地元の事例で考えてみると、「愛知川(えちがわ)」「能登川(のとがわ)」という地名の場合、「愛知川」は「うわずった感じの発音」、「能登川」は「尻上がりの発音」で固定されていて、逆に発音すると、なんとなく違和感があります。
「中之島」に関しても、中之島周辺の生粋の大阪市民だったら「こっちの発音やないと変や」というような感覚があるものなんでしょうか。ちょっと気になります。
ちなみに帰りは福島という駅から電車に乗りましたが、「福島」という地名に関しては今までに
・ふ[く]しま
・[ふ]くしま
・[ふく]しま
の3通りの発音を聞いたことがあります。一番よく聞くのは1番目ですが、なんとなく昔ながらの大阪弁っぽいのは3番目のような感じがします。実際のところどうなんでしょうね。そちらもちょっと気になります。