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流出させてみたものの

 インターネットがすっかり普及して、個人情報の保護が叫ばれるようになって久しい現代、それを反映するかのように起きている不祥事が個人情報の流出でございます。ニュースを検索すると、個人情報流出の事件がほぼ毎日起きているのが分かります。日本だけでこの状況ですから、世界規模で見ればこうしている間にもどこかで何かが漏れている状態と言っていいでしょう。

 ニュースをザッと見ている感じでは、個人情報の原因としては従業員のミスもあれば、不正アクセスやランサムウェアのような外部からの要因もあるようです。そして、流出した個人情報の数です。もう数万件では少ないほうで、数百万件の情報が流出なんてニュースも簡単に出てくる。

 これがほぼ毎日なんです。1件の情報がどれくらいのものなのか私にはよく分かりませんが、そんな個人情報ビギナーの私は思うんです。「多くないか」と。あんまり個人情報を流出してほしくない一般人の皆様はもちろん同じように思っているでしょうけれども、個人情報を流出させて「さあ悪いことに使ってやろう」と意気込むタイプの方々も下手したら思っているんじゃないでしょうか。「いっぱい流出しすぎて何をどう扱ったらいいか分かんない」となっているんじゃないかと。

 何しろ毎日毎日、数万件を余裕で超える個人情報が流出しているんです。私の情報だってとっくにどこかから流出しているでしょう。何だったら2巡目3巡目に入っているかもしれない。犯罪者にしたって同じ情報は要らないでしょうから、たっぷり流出した個人情報をチェックしては「この情報もう見た」「これも見た」「いや、だから見たって」とイライラしてるんじゃないかと思ったんです。何だったら、「いや、もういいよ、個人情報。どんだけ垂れ流すんだよ」と憤っている可能性も考えました。

 とは言え、犯罪者はこの世のすべての個人情報を探っているわけではないでしょう。闇雲に流出させているはずがない。特定の情報に狙いを定め、うまいこと流出させた上で悪いことに使っているのでしょう。何なら、そういう方々はコンピューターに詳しいはずですから、なんかいいソフトを作って、大量の個人情報をちゃんと使えるようにしているのかもしれない。どちらかと言うと、そっちのほうがリアルな想像です。

 ただ、決壊したダムのように個人情報がダバダバ出ている中で「多すぎじゃねえか?」と立ちすくむ犯罪者もひとりくらいいるのかもしれません。私だったらそうなってしまう。そうなる人間はどう考えても犯罪者に向いてないわけで、悪いことをしなくてよかったと思いますし、これからもしないでおこうと改めて思いました。

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