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大規模お笑い大会 個人成績ランキング

 お笑いの大会には毎年おこなわれる大規模なものが4つございますね。具体的には漫才のM-1(2011年から2014年まではTHE MANZAI)、ピンのR-1、コントのキングオブコント(以下、KOCと表記)、それから女性芸人のTHE Wです。

 最初、何となくこの4つの大会の成績をまとめた一覧があると面白いかなと思い、準決勝以上限定で記録をまとめていたんですが、予想以上に難航したんです。

 難航の原因は2点です。ひとつだけピンの大会があり、コンビやグループに所属している芸人もまたピンで参加していることが珍しくない。つまり、団体の成績と個人の成績が混ざってしまうんです。そして、もう1点は芸人の解散と結成です。ひとりの芸人がコンビを解散してしばらくピンで活動、そのあと違うコンビを組んだ。それ自体は別にいいのですが、前のコンビ、ピンの時代、今のコンビでそれぞれ好成績を収めていた場合、その成績はどのコンビにまとめればいいのか、それとも独自にピンの記録を作らなければいけないのか、判断に困るんです。道理で大規模大会の成績をまとめた一覧がないと思いました。やってて本当に訳が分からなくなりました。

 じゃあもう、個人の成績でまとめてみようと思いました。コンビやグループの成績も所属する個人の成績としたんです。そうすると、大規模お笑い大会で最も多くの好成績を叩き出した人が分かります。何ならランキングもできる。

 というわけで10位までを調べてみました。以下、ご覧になる際の注意点を箇条書きでまとめました。

・このランキングは2022年7月24日時点のものです
・参考として進出年に順位を併記してある場合もございますが、大会内での順位は評価に関係なく、進出した時点で平等に1回とカウントしています
・同じグループで全く同じ成績だった場合はひとつにまとめました
・芸人の名前は敬称略とします

では早速、参ります。

1.決勝進出回数ランキング

とりあえず、まずは決勝進出だけをカウントしてまとめてみました。

9位:秋山賢太・山名文和〈アキナ〉 6回

KOC
2014(1stステージ)、2015(6位)、2017(7位)
M-1
2016(5位)、2020(8位)
THE MANZAI
2014(3位)

9位:あべこうじ 6回

R-1
2004(順位不明)、2005(3位)、2006(2位)、2008(5位)、2009(5位)、2010(1位)

9位:おいでやす小田 6回

M-1
2020(2位)
R-1
2016(Bブロック3位)、2017(Cブロック2位)、2018(Aブロック2位)、2019(Bブロック2位)、2020(Cブロック3位)

9位:鰻和弘・橋本直〈銀シャリ〉 6回

KOC
2012(7位)
M-1
2010(5位)、2015(2位)、2016(1位)
THE MANZAI
2011(1回戦Dグループ3位)、2013(1回戦Bグループ3位)

9位:友近 6回

R-1
2002(順位不明)、2004(順位不明)、2005(4位)、2006(6位)、2007(5位)、2012(Aブロック2位)

9位:ヒューマン中村 6回

R-1
2011(ベスト8)、2012(Cブロック2位)、2013(3位)、2014(Aブロック2位)、2015(Cブロック3位)、2020(Cブロック4位)

9位:マツモトクラブ 6回

R-1
2015(2位)、2016(Cブロック3位)、2017(Cブロック4位)、2018(Cブロック2位)、2019(Bブロック3位)、2021(9位)

9位:水田信二・川西賢志郎〈和牛〉 6回

M-1
2015(6位)、2016(2位)、2017(2位)、2018(2位)、2019(4位)
THE MANZAI
2014(1回戦Cグループ3位)

9位:川島明〈麒麟〉 6回

M-1
2001(5位)、2003(8位)、2004(3位)、2005(3位)、2006(3位)
R-1
2010(4位)

6位:森田哲矢・東ブクロ〈さらば青春の光〉 7回

KOC
2012(2位)、2013(4位)、2014(1stステージ)、2015(10位)、2017(3位)、2018(4位)
M-1
2016(4位)

6位:ノブ〈千鳥〉 7回

M-1
2003(9位)、2004(9位)、2005(6位)、2007(8位)
THE MANZAI
2011(3位)、2012(2位)、2013(2位)

3位:大悟〈千鳥〉 8回

M-1
2003(9位)、2004(9位)、2005(6位)、2007(8位)
R-1
2012(Cブロック3位)
THE MANZAI
2011(3位)、2012(2位)、2013(2位)

3位:ゆりやんレトリィバァ 8回

R-1
2015(3位)、2016(3位)、2017(Bブロック2位)、2018(2位)、2021(1位)
THE W
2017(1位)、2018(1stステージ)、2020(1stステージ)

3位:後藤淳平・福徳秀介〈ジャルジャル〉 8回

KOC
2009(8位)、2010(4位)、2019(3位)、2020(1位)
M-1
2010(8位)、2015(3位)、2017(6位)、2018(3位)

1位:哲夫・西田幸治〈笑い飯〉 10回

M-1
2002(3位)、2003(2位)、2004(5位)、2005(2位)、2006(4位)、2007(5位)、2008(4位)、2009(2位)、2010(1位)
THE MANZAI
2012(1回戦Cグループ2位)

 いかがでしたでしょうか。

 芸歴に制限があるM-1に対してKOCは芸歴の制限がなく、R-1も最近までありませんでしたから、そっち方面の大会の決勝常連者が多いのではないかと予想していました。しかし、実際に調べてみると、とくにそんなこともありませんでした。

KOC多め:2人
M-1多め:9人
R-1多め:6人
バランス型:4人

 もちろん、M-1が最も歴史の長い大会ではありますけれども、それにしたってこの差は何なんでしょうね。漫才は個人の能力が反映されやすい傾向があるのかもしれない。少なくとも、その可能性をうかがわせる記録ではあります。

 また、やはり同じコンビで成績が全く同じ場合がよく見られました。それは当然の現象ではあります。ただ、同時にピンでの活動が成績で結びつき、それが相方との記録に若干の差があるのは個人記録ならではでしょう。小田さんのようにユニットの記録が上乗せされるのもまた同様です。

 とは言え、そもそも決勝進出者は非常に限られているため、ランキングにしてもそこまで差が出ませんでした。では、準決勝以上の記録をまとめた場合はどうでしょうか。

2.準決勝進出回数ランキング

 というわけで、準決勝の記録もまとめたランキングもご紹介いたします。準決勝に進出するのもまた大変難しいことではありますが、決勝進出者と比べるとだいぶ数が多くなります。さて、どうなったでしょうか。早速、参ります。決勝ランキングに比べて数が多くなったので、大会ごとの出場回数も併記しました。

10位:田崎佑一〈藤崎マーケット〉 17回

KOC 6回
2008(準決勝)、2014(準決勝)、2015(決勝5位)、2016(準決勝)、2017(準決勝)、2019(準決勝)
M-1 4回
2006(準決勝)、2007(準決勝)、2008(準決勝)、2009(準決勝)
R-1 6回
2007(準決勝)、2008(準決勝)、2014(準決勝)、2015(準決勝)、2016(準決勝)、2017(準決勝)
THE MANZAI 1回
2014(認定漫才師)

10位:トキ〈藤崎マーケット〉 17回

KOC 6回
2008(準決勝)、2014(準決勝)、2015(決勝5位)、2016(準決勝)、2017(準決勝)、2019(準決勝)
M-1 4回
2006(準決勝)、2007(準決勝)、2008(準決勝)、2009(準決勝)
R-1 6回
2013(準決勝)、2014(準決勝)、2015(準決勝)、2016(準決勝)、2017(準決勝)、2018(準決勝)
THE MANZAI 1回
2014(認定漫才師)

7位:瀬下豊〈天竺鼠〉 19回

KOC 9回
2008(決勝Aグループ3位)、2009(決勝7位)、2010(準決勝)、2011(準決勝)、2012(準決勝)、2013(決勝3位)、2014(準決勝)、2015(準決勝)、2016(準決勝)
M-1 8回
2005(準決勝)、2006(準決勝)、2007(準決勝)、2008(準決勝)、2009(準決勝)、2015(準決勝)、2017(準決勝)、2019(準決勝)
THE MANZAI 2回
2012(認定漫才師)、2013(決勝1回戦Cグループ4位)

7位:西森洋一・大林健二〈モンスターエンジン〉 19回

KOC 10回
2008(準決勝)、2009(決勝5位)、2010(準決勝)、2011(決勝5位)、2012(準決勝)、2013(準決勝)、2014(準決勝)、2015(準決勝)、2016(準決勝)、2017(準決勝)
M-1 7回
2005(準決勝)、2006(準決勝)、2007(準決勝)、2008(決勝7位)、2009(決勝7位)、2010(準決勝)、2015(準決勝)
THE MANZAI 2回
2012(認定漫才師)、2013(認定漫才師)

5位:山内健司・濱家隆一〈かまいたち〉 20回

KOC 8回
2008(準決勝)、2009(準決勝)、2010(準決勝)、2012(準決勝)、2013(準決勝)、2014(準決勝)、2016(決勝3位)、2017(決勝1位)
M-1 10回
2005(準決勝)、2006(準決勝)、2007(準決勝)、2008(準決勝)、2009(準決勝)、2015(準決勝)、2016(準決勝)、2017(決勝4位)、2018(決勝5位)、2019(決勝2位)
THE MANZAI 2回
2013(認定漫才師)、2014(認定漫才師)

4位:川原克己〈天竺鼠〉 21回

KOC 9回
2008(決勝Aグループ3位)、2009(決勝7位)、2010(準決勝)、2011(準決勝)、2012(準決勝)、2013(決勝3位)、2014(準決勝)、2015(準決勝)、2016(準決勝)
M-1 8回
2005(準決勝)、2006(準決勝)、2007(準決勝)、2008(準決勝)、2009(準決勝)、2015(準決勝)、2017(準決勝)、2019(準決勝)
R-1 2回
2010(準決勝)、2012(準決勝)
THE MANZAI 2回
2012(認定漫才師)、2013(決勝1回戦Cグループ4位)

1位:ヤナギブソン〈ザ・プラン9〉 25回

KOC 8回
2008(準決勝)、2009(準決勝)、2010(準決勝)、2011(準決勝)、2012(準決勝)、2013(準決勝)、2014(準決勝)、2015(準決勝)
M-1 5回
2003(準決勝)、2004(準決勝)、2005(準決勝)、2006(決勝7位)、2007(準決勝)
R-1 12回
2004(決勝 順位不明)、2005(準決勝)、2006(準決勝)、2007(準決勝)、2008(準決勝)、2009(準決勝)、2010(準決勝)、2011(準決勝)、2012(決勝Cブロック3位)、2013(決勝Aブロック2位)、2014(準決勝)、2015(準決勝)

1位:後藤淳平・福徳秀介〈ジャルジャル〉 25回

KOC 13回
2008(準決勝)、2009(決勝8位)、2010(決勝4位)、2011(準決勝)、2012(準決勝)、2013(準決勝)、2014(準決勝)、2015(準決勝)、2016(準決勝)、2017(準決勝)、2018(準決勝)、2019(決勝3位)、2020(決勝1位)
M-1 9回
2006(準決勝)、2007(準決勝)、2008(準決勝)、2009(準決勝)、2010(決勝8位)、2015(決勝3位)、2016(準決勝)、2017(決勝6位)、2018(決勝3位)
THE MANZAI 3回
2011(認定漫才師)、2012(認定漫才師)、2013(認定漫才師)

 いかがでしたでしょうか。

 ジャルジャルはともかく、ヤナギブソンさんは意外な名前だと思われた方も多そうです。ザ・プラン9はグループでの活動はもちろん、ピンでの活動も多いため、R-1で準決勝以上に食い込む回数が増えたのだと考えられます。実際、ヤナギブソンさんの他にも浅越ゴエさんやお~い!久馬さんは16回出場、元ザ・プラン9のなだぎさんも同じく16回出場と、ザ・プラン9の初期メンバーは全体的に出場回数が多い傾向にあります。ちなみに、ランキングにギリギリ入らなかった16回出場者は他にさらば青春の光とGAGのひろゆきさんがいらっしゃいます。

 また、それぞれピンで頑張っていながら合計進出回数が結局同じになった藤崎マーケットのふたりや、トリオ「にのうらご」時代の成績が上乗せされてランクインするモンスターエンジンのふたりなどは、個人成績ならではの現象だと思いました。

 かまいたちやジャルジャルのように優勝経験があるコンビは、膨大なチャレンジの末に成し遂げられた勝利だということが改めて示されたように思います。こういうのを見ると、継続は大切だなと考えざるを得ません。

 というわけで、今回のご紹介は以上となります。ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

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