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THE W 2023 全ネタ感想
2023年12月9日にTHE W 2023が放送されましたので、簡単にその感想を書いて載せてみました。少しでも興味があり、時間の余っている方々の暇つぶしにでもなれば幸いです。
芸人の名前は敬称略となっております。では、早速参ります。よろしくお願いします。
1.Aブロック
1-1.まいあんつ
コント。シンデレラをやってみるネタです。
伝統的なお話をベースに「魔法で一発ギャグをしてしまう性質が付与されてしまった」というシステムをメインにした形となっています。一発ギャグの大半は、ご自身がネタ中に「せめて意味のあるものにしてちょうだい」とツッコんでいるように、ストーリーと関連性のないものが多く、強いて言うならばセリフの言葉尻からギャグに繋げる程度となっています。ただし、全てではなく、場面に対してツッコむ箇所も散見はされます。
1-2.はるかぜに告ぐ
漫才。落とした傘を警察へ取りに行くネタです。
偏見強めのあるあるネタがメインで、中でも傘と岸和田のものが多い形となっています。そして、話題が少しずつ移行していく、いわゆるしゃべくり漫才というやつです。
1-3.スパイク
コント。ストレス解消にボクシングジムへ行ってみるネタです。
「サンドバッグを嫌な上司に見立てすぎてむしろちゃんと殴らない」という形を繰り返しつつ、ちゃんと殴らない内容を変化させる構成となっています。序盤のやりとりで客が変な人だと思わせ、ちゃんと殴らない行為に必然性を持たせようとしています。
1-4.やす子
フリップ芸。自衛隊に関する回文を披露するネタです。
自衛隊に関する回文を披露した後、今までの「回文」が「怪文」かどうかを、個人の偏見をもとにチェックする形で展開に変化をつけています。合間に一言で笑いを取ろうとしている他、怪文から「海文」に発展させ、単調さを解消しようとしているものと考えられます。
2.Bブロック
2-1.ハイツ友の会
コント。ライターが陶芸家へ取材に行くネタです。
余計な一言が多いなど、癖の強い陶芸家に対して、ライターが「何で結婚できたのか」と本人に疑問を投げかけてから、互いに偏見強め毒舌の応酬が開始されます。陶芸家が主張する理屈のウィークポイントをツッコミが容赦なく突きつつも、言葉遣いには非常に気を遣われています。あまりテンションの変化で笑わせるスタイルではないため、より一層そうなったものと考えられます。
2-2.紅しょうが
コント。相撲部屋を出る力士を迎えるファンのネタです。
別タイプの痛いファンがいざこざを起こす形となっています。力士が出るたびにふたりのどちらかまたは両方が反応することを繰り返し、合間に争ったりする構成です。熱量の高さが大きな特徴です。
2-3.変ホ長調
漫才。気の利いた手土産を考えるネタです。
一定のテンポでゆっくりと話を展開しつつ、「あるある」を散りばめている印象です。強いツッコミが存在せず、ちょっと言い回しをひねった雑談のような形になっています。
2-4.梵天
漫才。ダイエットアドバイザーとしてダイエットのアドバイスをするネタです。
毒舌がメインの漫才でございますけれども、ボケがゆったりと話すスタイルに加え、ハキハキ喋るツッコミとの対照性で毒を中和し、見やすくしているものと考えられます。
3.Cブロック
3-1.ゆりやんレトリィバァ
コント。エアハムスターショーと称して、見えないハムスターとショーをするネタです。
パントマイムでハムスターとのあれこれを表現していく形となっています。コントのテーマとしては特殊ではございますが、舞台装置を用いることで演者による説明を最小限に抑えているのが特徴です。
3-2.あぁ~しらき!
コント。妖怪角刈りおばちゃんをやるネタです。
仮の姿をフリとして、角刈りになってからをオチとする形を2回繰り返しています。2度目は「正体もオチもバレている状態で敢えてやる」という笑いを目的にしているものと考えられます。
3-3.ぼる塾
漫才。ミートミッキーみたいな感じでミート田辺をやってみるネタです。
強めのツッコミがメイン武器の印象です。人数が多い特徴はコントの方が活かしやすいのか、コントに入ると一気に整然とした感じになっています。
3-4.エルフ
コント。配信をする妹とそれを見守る姉のネタです。
説明を最小限にしてその分だけ笑いどころを増やし、さりげなく張った伏線を回収するなど、ストーリーをしっかり作っています。舞台上で化粧を落とす行為もちゃんと必然性を持たせるなど、人物の言動にちゃんと意味を持たせています。
4.最終決戦
4-1.スパイク
コント。友人を始めて家に招くネタです。
「靴下の裏が黒い」という同じオチへ時に無理やり繋げる形を笑ってもらう形となっています。途中からは英語にしてみたり、実際に靴下を黒くしてみたりして変化をつけています。
4-2.エルフ
漫才。ホストクラブに行ってみるネタです。
ホストの笑いを越えようとしてくる女性を楽しんでもらう形となっており、ストーリーがいくら進もうともその基本スタイルを崩さず最後までいっています。意図的に崩してすぐ元に戻す反動で笑いを誘う用法も用いていますが、それも含めてスタイルが一貫しています。
4-3.紅しょうが
コント。パンツの中にスカートが入ってしまって丸出しの状態の女性のネタです。
「パンツを指摘してる人自身がパンツ丸出しになっているかと思ったら、むしろパンツを見せていくファッションだった」という、ひねった構造となっています。その構造がメインのネタとも言え、全ての笑いどころはその構造から生えた枝葉のような位置づけにあります。
今回の感想は以上となります。ではまた。