ザブングル加藤さんは2度抜かれる

 厚切りジェイソンさんの本が売れているようです。

 今年上半期の書籍ランキングで1位を取るなど、絶好調をうかがわせるニュースがいくつも出てきます。

 厚切りジェイソンさんのデビューにはザブングル、特に加藤さんが大きくかかわっているという話は、お笑いが好きな方ならよく知るエピソードでしょう。営業に来たザブングルが客と腕相撲をするという企画で加藤さんがジェイソンさんを選び、それ以来、ふたりの交流が続いています。

 デビューしたその年からテレビに出演、知名度をグッと上げておりまして、ザブングル加藤さんは「あっという間に抜かれた」みたいな話でしばしばネタにしているところを私も何度か見たことがあります。後輩に一瞬で抜かれるのはお笑い界の恐ろしいところであり、それをネタにできるのはお笑い界と素晴らしいところです。

 さて、実際に書店へ行ってみますと、確かにジェイソンさんの本が目立つ位置に何冊も陳列されている。目立つ場所に置かれる商品は往々にして売れているものだったりするので、本当に売れているのでしょう。

 せっかく書店に来たんで、いろんな本を見て回りますと、なんとジェイソンさんの師匠的ポジションにいるザブングル加藤さんの本も見つけました。

 コンサルタントの方との共著でありまして、ジェイソンさんの本より数か月前に出ています。値段もほとんど一緒です。ですが、加藤さんの本の売り上げがどうなのか分かりませんが、少なくとも何かのランキングで1位になったニュースは見つからない。書店の陳列も他の節約本と一緒に棚へ1冊刺さっているだけでした。つまり、ザブングル加藤さんはお笑いだけでなく、書籍でもジェイソンさんにあっさり抜かされた形になります。

 さすがに思いました。話のネタに敢えてやってるんじゃないかと。出版社を2社も巻き込んだ壮大なコントではないかと。もしそうだとすると、考えた人はなかなかの策士というか、少なくとも私の好きなタイプであることは確かです。是非とも次のネタをこっそり伺いたい、そんな気分になって参りました。

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