どこにでも長大語一派はいる、もちろんお笑い業界にも
以前にお笑いコンビまたはグループの文字数を調査したところ、95%が3文字以上11文字以下に収まっているという結果になりました。
調査の対象はM-1グランプリ2021に参加したプロまたはフリーの芸人だけでしたが、それでも2286組もいらっしゃいまして、これだけの数ならば恐らく統計学的にも国内に存在する全漫才グループの傾向とさほど変わらないと考えられます。
残りの5%は当然、2文字以下か12文字以上の名前を持つ漫才グループです。そのうち1%弱は2文字以下の短い組、残り4%強は12文字以上の長い組となっています。
ちなみに、長い名前の組は、大会などのために臨時で組む、いわゆる「ユニット」と呼ばれる形態のものが多く見られます。その一因として、ユニットだと所属する人の名前を組み合わせたものが多いという事実が挙げられます。例えば、「怪奇!YesどんぐりRPG」がその典型です。一方で、所属する人の名前に全然かかってないのに名前が長い組も多いんです。ユニットを組むと人は長い名前をつけたがるのでしょうか。そこのところはよく分かりません。
もちろん、ユニットほどではないにしても、長い名前の組は存在します。上記の調査で確認された、ユニット以外の長い名前の組は以下の通りとなっています。
こう見ると、長い名前は単語をいくつも繋げて伸ばしていくタイプと文章にしてしまうタイプの2つに大きく分けられそうですね。ちなみに、アンリミテッドプリパレーションは既に解散しておりまして、パーフェクト・ダブル・シュレッダーはその後「アーネスト」に改名しています。
さて、M-1グランプリ2021における、非ユニットの名前最長コンビは16文字の「おとんがポックリ残されたうちら」だったわけですが、それ以上に長い名前を持つ組はいるんでしょうか。軽く調べてみたところ、とりあえず3組が確認できました。
まず1組目は「アミ・ボロロク・ホエ・デシェ・ジェテ・チャイ」です。仮名表記で17文字、「・(中黒)」を入れると22文字となります。ウィキペディアによると2004年結成、2007年解散のコンビとなっています。片方がバングラデシュ出身の方で、往年の人気ドラマシリーズ「TRICK」にて主人公の隣に住むバングラデシュ人の役として出演していました。コンビ名はバングラデシュの公用語であるベンガル語で「大金を持って祖国に帰る」という意味だったので、早速、Google翻訳でいろいろやってみたんですが、どうもうまく「アミ・ボロロク・ホエ・デシェ・ジェテ・チャイ」にならないんです。ベンガル語に詳しい方の助言を待ちたいと思います。
2組目は「東京ビンゴビンゴダイナマイトジャパン」です。仮名表記で21文字ですね。ウィキペディアによると1989年結成、2004年解散のトリオとのこと。最初は「ブランドル」という名前でしたが、改名の際にメンバーやマネージャーが出した名前案を組み合わせた結果、このような長い名前になったようです。
3組目は「ハイパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」です。仮名表記で26文字となっていて、プロでありユニットでない組の名前としては、確認できる限り最長です。ウィキペディアの項目にはなっていませんが、ネットに残された情報によりますと2015年結成、2018年解散のコンビだったようです。名前の由来は恐らく、映画「メリー・ポピンズ」で歌われた曲「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」から来ていると思われます。
ウィキペディアによると、もともとこの長い言葉に意味はなかったようです。しかし、メリー・ポピンズが大ヒットするや否や、この長い言葉が意味を持ち始めました。そして、その長い言葉を使ってあれやこれやする人が次々と現れた。「ハイパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」もまたそのひとつでしょう。
「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」は英語で「Supercalifragilisticexpialidocious」と表記され、カタカナ表記と同様に眩暈を覚える長さです。ちなみに、このような長い英単語を「長大語(longest words)」と呼ぶようで、やたらと長い名前を作りたがる一派はどこにでもいるという事実がうかがえます。
どうでもいいですがスーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャスは敢えて分割すると「スーパー」「カリフラジリスティック」「エクスピアリ」「ドーシャス」の4つになるようです。スーパーがハイパーになろうとそれは同じだと考えられます。
今回は以上になります。ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
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