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深刻な投下物不足

 品性ゼロの話をしますので、お手数ですが苦手な方は対処してくだされば幸いです。どんな話って、お通じの話です。

 私、長らく自分のお通じに不満を持っておりました。出ないとか、ゆるいとかじゃないんです。ちゃんと出るんです。ただ、ちゃんと出過ぎなのが不満なんです。

 そう書くと贅沢な悩みと思われる方もいらっしゃると思います。健康なのが悩みってどういうことかよと。違うんです。異常なのは回数なんです。頻尿みたいな表現で言うなら頻便でしょうか。いや、便だと小さいほうも含まれるので、頻ウンとでも申せばよろしいでしょうか。なんか、一部の漢字が特殊過ぎてやむを得ずカタカナ表記にした三国志の武将みたいですね。許チョみたいな。

 それはともかく頻ウンです。回数が多いんです。何なら、1回トイレで投下を済まし、「終わった終わった」と思って個室から出てくると、また出そうな感覚に襲われるんです。残尿感、もとい残ウン感どころの話ではありません。さっきと同じくらいの量が余裕で出そうな感覚です。そして実際に出ます。何ならもう1回同じことを繰り返す。朝から計3回とか余裕でありました。我が身体ながら一括でなんとかしろよと思うんですが、いつも分割払いをしてくるんです。忙しい朝にこれをやられるもんですから、まあ大変でした。

 家で充分に出したと思ったら、職場でも出そうになるんです。トイレに行けばいい話ではあるんですが、忙しい状況で出そうになると、やっぱり面倒です。仕事を一旦は脇においてトイレへ駆け込み、投下しなければいけない。何なら、トイレに行くタイミングを考慮して仕事の予定を組んでいた時期もありました

 なぜ起きるのか。理由は簡単で、たくさん食べるからです。入るものが多ければ、出るものも多い。しかし、我が身体は分割払いの権化ですから、一度にたくさん入れたものを、小分けにして出してくる。その分、時間と手間がかかるわけです。

 たくさん食べられるのは決して悪いことではありませんが、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」とも申します。食べ過ぎはかえって良くないのは周知の事実でございまして、そのうち私も健康診断で注意されるようになりました。

 お医者さんに言われては仕方がありません。自分なりに食生活の見直しに入りまして、手探りであれこれやるようになりました。とりあえず、着手したのは食事量です。多く食べている自負はありましたから、とにかく減らしました。

 真っ先に変化が出たのはお通じです。あれほど分割払いに固執していた我が身体が、一括で抑えられるようになりました。しかも、1回で出る量も少なくなった。入るものが減れば、出るものも減る。実に分かりやすい、自然な結果でございます。

 さて、健康診断では、トイレで投下したものをチェックするやつがございます。俗に言う検便ですね。検ウンでいい気がしますが、「検便」は頑なに「検便」です。食生活を見直してからも当然、検便をするわけですが、実際にやってみて気づいたんです。なんかものすごくしづらいと。

 検便は専用キットで回収するわけですが、食生活の見直しによって投下量が減ったため、やりづらさが激増していたんです。昔はあれだけ豊富に取れていたのに、今や少ない量しか取れない。そんなわずかな量から回収を試みなければならないんです。なんか漁師の嘆きみたいな話になってますが、そんな立派な悩みではありません。

 検査結果の「異常なし」よりも、少ない量でもちゃんと検査できたことにホッとした次第です。

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