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半解体工事

 住宅地は代り映えのない景色が続くと思いきや、ちょっとずつ変化が起きているものです。まだまだ住めそうな家がいきなり潰されて更地になり、あれよあれよという間に新しい家が建ったりします。

 そんなある日のことです。近所のとある家に建設業っぽい人たちが集まっていました。私が見た限り、まだまだ住めそうな家ではありましたが、古さは否めませんでした。ここも建て替えられるのかと思いながら通り過ぎました。以後、近くを通り過ぎるたびに作業が進んでいるのが分かりました。

 しかし、途中から妙な点に気づきました。その家はそこそこ大きな2階建ての家だったのですが、その真ん中辺りで建てに切れ込みが入ってるんです。巨人の剣豪が真上からバッサリと刀を振り下ろした後のように、綺麗に真っ二つなんです。

 一体何をしているのか。他人様の家で遊んでいるのか。それとも、こうやったほうが解体しやすいのか。そばを通るたびに、いろいろ予想しながらも好奇の目で眺めていたんです。

 その家は確かに解体されました。ただし、半分だけです。バッサリやられた切り込みあとを中心に半分だけが更地になり、残りはそのまま家としての体を保っています。残された家も解体されるのかと思いきや、バッサリやられた跡を隠すように新しく外壁が作られました。

 そうこうしているうち、更地にはたちまち新しい家が建てられまして、もともとあった家との間に柵が作られました。どうやら、地主は土地の半分を売り払ったようです。でも、家を完全に建て替えるお金はない。じゃあ、真っ二つにしてしまえと、そういう結論だったのでしょう。

 いや、小学生でも思いつきそうな分かりやすい方法ではありますけど、小学生でも思いつきそうな方法を実際にやるとは。個人的には瓢箪から駒どころか駒込駅が出てきた気分です。

 都市部に近い住宅地で、以前に建っていたのがちょっと大き目な家だったりすると、跡地に建つのはアパートだったり複数の戸建てだったりします。1軒の跡地に2軒建つ場合があるわけですね。たまに3軒なんて離れ業をかます時もございます。住宅密集地では当たり前にようにある現象なのか、ネットで検索するとちょこちょこ出てきます。

 ひょっとすると家真っ二つパターンもそこそこある現象なのでしょうか。軽く検索してみたんですが、なぜか家とは全然関係ないものを真っ二つにしたと訴えるページばかり出てきたため、どれくらいある現象なのか分かりませんでした。

 とりあえずビックリした。本日の主張はこれだけです。

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