ボビー・ホートン 'Twas At The Siege of Vicksburg 和訳
今回もHomespun Songs of the C.S.A volume.1から。このアルバムも佳境に。
歌詞はこちらを参照しました。
'Twas at the siege of Vicksburg,
あれは、ヴィックスバーグでの包囲攻撃のことだった
Of Vicksburg, of Vicksburg,
あのヴィックスバーグだよ
'Twas at the siege of Vicksburg,
ヴィックスバーグの包囲攻撃のことだ
When the minnies-balls were singing through the air.
あのときはミニエー弾が空気を切っていたのさ
Listen to the minnies-balls, listen to the minnies-balls,
ミニエー弾の音を聞け ミニエー弾の音を
The minnies-balls were singing through the air.
ミニエー弾が空気を切っている音を
Listen to the minnies-balls, listen to the minnies-balls,
ミニエー弾の音を聞け ミニエー弾の音を
The minnies-balls were singing through the air.
ミニエー弾が空気を切っているのさ
Oh, well will we remember,
ああ、俺たちはよーく覚えてるだろうよ
Remember, remember,
ぜったい忘れないさ
Tough mule meat, June sans November ;
硬いラバの肉に、11月のない6月
And the parrot shells were whistling though the air.
それに、パロット砲弾がピューッと風を切る
Listen to the parrot shells, listen to the parrot shells,
パロット砲弾の音を聞け、あの音だよ
The parrot shells were whistling though the air.
パロット砲弾が音を立てて風を切る
Listen to the parrot shells, listen to the parrot shells,
パロット砲弾の音を聞け、パロット砲弾だ
The parrot shells were whistling though the air.
パロット砲弾が音を立てて風を切る
解説
・ヴィックスバーグの包囲攻撃について。ヴィックスバーグ包囲攻撃では、北軍のグラント将軍の率いる部隊と、南軍のペンバートン将軍率いる部隊とが戦った。1863年(南北戦争終戦の年)の戦いであり、そのすぐ後にゲティスバーグの戦いを控えていたことからも、南軍にとっては凄まじい戦いとなった。もちろん、北軍が勝利した。
・ミニエー弾について。ミニエー弾ならびにミニエー銃とは、弾丸に鉄製のキャップがついたもの/それを発射させる銃のことをいうらしい。当時としては桁外れの殺傷能力だそう。
・ラバ肉について。アメリカでは以前から(ネイティブ・アメリカンしかいなかった時代から)食べ物がない時に食べられたよう。南軍はとくに食糧に困ることが多かったので、馬→馬が食べられなくなるとラバ→ラバもいなくなると犬、と食べていたらしい。
・今回太字にしたJune sans Novenber、色々調べたが詳しいことがよくわからなかった。ただ、ヴィックスバーグ包囲攻撃は5月半ば〜7月頭まで行われているので、6月というのは戦闘期間で違いないだろう。問題は11月で、11月が何なのかわからない。思いつくのは、11月に感謝祭があることだろうか。どうも、リンカーンは南北戦争中の感謝祭の日を連邦休日とし、家族で集まることを奨励したようである。そういう意味では、当時はクリスマスよりも大きな催しだったのかもしれない。とはいえ、依然謎ではある。
なお、sansはフランス語の前置詞で、withoutと同義。なので、直訳すると「11月のない6月」というような意味になる。
・パロット砲弾についかて。南北戦争当時は、パロット大砲(parrot rifle)という大砲が使われており、その弾がパロット砲弾だった。
射撃精度が高く、製造が容易で安価(溶接に革新的な方法が用いられたため)だったが、安全性に問題があったようである。