難解な「弁証法」は「カレーうどん」で思い出せ
「弁証法」とは何か。
一言で言うと「弁証法とはカレーうどん」である。
いきなり何を言い出すか!といった感じだが、このことを理解するために架空の話をでっちあげてみた。ひとまずご寛恕の上、ご賞味いただきたい。
初デートのAクンとBサン。2人で何か食べに行こう♪ということになった。Aクンは「ボクはカレーが食べたいな」と言う。でもBさんはなんと「アタシはうどんがいいワ」と思っている。絶体絶命である。
このようなとき、Aクンの立場としては「泣く泣くカレーをあきらめ、Bさんのうどんに付き合う」か、あるいは、「おれはうどんは食わねぇんだ」とムリヤリにココ○チに行き、Bサンから「あのときあなたはコ○イチに強引に連れて行って、うどんを食べさせてくれなかったワネ」と結婚後も恨まれ続けるかどちらかだろう。
これは、まさに弁証法を知らなかったがゆえの悲劇であろう。
ここまで読むともうおわかりでしょう。そう、まさに「弁証法とはカレーうどん」というゆえんである。
AクンBサンがお互い自分の意見に固執するのではなく、「カレーもうどんも」という答えに至る道、それが「弁証法」なのである。
これは「自分の意見も相手の意見も大事にし、両方を踏まえた上で解決を考える」という考え方である。
もう少し詳しく見ていきましょう。
「カレーを食べたい」という意見と、これとは矛盾する「うどんがいい」という意見の2つがあります。この2つをともに大事にすることで「じゃあカレーうどんにしよう!」という答えにたどり着くはずだ。
カレーうどん(2人の希望)
↑
↑
(A君の希望)カレー →→→ (矛盾)←←←うどん(Bさんの希望)
ざっくり言えば、弁証法はこれでOK!
と、こんな説明では納得がいかない人も多いだろう。
そこで、下の図を見て欲しい。
合
↑
↑
正→→→ (矛盾)←←←反
上にある「うどんの図」と同じである。
さらに、上で書いた二つを統合し、より高い次元の答えに向かう動きのことを「止揚(しよう)または揚棄(ようき)」と言う。
正と反を止揚して合に至るというのが弁証法という考え方の「型」である。
また、
対立がありつつも、自分を押し通すのでもなく、かといって相手に全てゆずって後でモヤモヤするのでもなく、両者を活かしつつより望しい結論を目指すという考え方の「心構え」とも言える。
こうした考え方は、実はとても応用範囲も広い。カレー対うどんの対立以外にも、「リビングでは大きい音で音楽を楽しみたい!」夫と、「読書してるんだから静かにしてよね」という妻が居れば、「じゃぁヘッドホンでもつけようか」という解決もありえよう。また、「そこの平野はうちの国の領土だ!オマエの国は入ってくるな」という国と「バカを言うな。ここはうちの国だ、トットと出て行け」という国同士の対立なんかでも、「じゃあ、ケンカにならないように、お互いから何人か管理者を出して、国連の指揮の下で治めよう」なんて解決も生まれる。ただし、実際にうまくいくかはちょっと別なはなしではあるが・・・
弁証法は、身近なゴタゴタから、国際問題まで実に応用範囲は広い。二千年以上の学究により鍛えられた
哲学の大型ホープ「弁証法」は、今日から使える思考の技術としてイチ押しである。
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