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誰もが誰かを食べている―『ボーンズ アンド オール』
ルカ・グァダニーノ監督の映画『ボーンズ アンド オール』を観た。
人肉を食べたいという欲望を持つ18歳の少女マレン(テイラー・ラッセル)が、父親に捨てられ母親に会いに行くためにアメリカの各地を渡り歩くという物語だ。マレンは道中で同じく食人の少年リー(ティモシー・シャラメ)と出会い、旅を共にする中で互いに惹かれあっていく。カニバリズムというショッキングな素材を扱っており、ゴア描写やホラーシーンも
映画『エゴイスト』感想・批評(ネタバレあり)
映画『エゴイスト』を観た。
公開前のビジュアルの雰囲気と、鈴木亮平がゲイを演じるということで気になっていた作品だ。予告などから、2016年公開の映画『怒り』におけるゲイ描写(妻夫木聡と綾野剛が男性カップルを演じ、「発展場」やマッチングアプリが登場した)に近いリアリティも感じ、2023年の今ならさらにどこまで描けるのかという期待もあった。事前に原作小説も読んでいたので、ストーリーはおさえたうえで