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【難しさを乗り超えこだわりを守る】地元のために無農薬栽培と加工品販売を行う移住者のお話

こんにちは、産直アウルです🦉
今回は、大分県日出町の生産者さんで、産直アウルで『メープルマート』として登録されている岡井さんにお話を聞きました!

メープルマートについて

メープルマートとして食材や加工品を販売する岡井さんは、オーガニック食品を販売する自然食品店を開いた経験や東京のオーガニックスーパーで働いた経験をもとに、地元に戻り自家栽培のオーガニック食材の加工・製造を行なっています。

メープルマートの農園「メープルファーム」

大分県日出町(ひじまち)は海と山に囲まれた自然豊かな地域。岡井さんはそんな日出町を気に入ったお父様と共に、家族で30年ほど前に奈良県から引っ越してきたそうです。そして始めた家庭菜園が、現在のメープルマートの農園「メープルファーム」となりました。
主に弟さんが野菜作りをされていて、岡井さんはそこで出た規格外品の加工品販売を行うために地元に戻ってきたと言います。
そうしてできた加工品を地元のスーパーの産直コーナーで販売するようになり、そこで知り合った地元の方からアウルを紹介され「メープルマート」として出店されたそうです。

メープルファームのこだわり

農薬や除草剤の不使用

生産者ページにある「栽培期間中農薬・化学肥料不使用でお野菜を育てています。」という言葉の通り、メープルファームでは有機JASで使用が認められている農薬であっても使用せず、草取りも手作業で行っています。
やはり、安全・安心で美味しい野菜を食べてもらいたいという想いが大きな理由だそうですが、それ以外にも「日出町の豊かな自然を守りたい」という想いを持たれていると言います。

この景色を守りたい

この想いを持った背景について、農業開始当時に土地を売ってもらった方のエピソードをお話しくださいました。
「その方ははじめは誰にも売らないって言われてたんです。でもやっぱり父がどうしてもこの土地をという思いが強かったので、弟と直接土地を見せてもらいに行ったんです。そこでその方が、甘夏をくださったんですよね。で、それをもらった弟が無農薬だ!って言って喜んだらしいんです。それを見たここのオーナーさんが、あ、この方なら土地売ってもいいなと思ったそうです。
そういうのもあって、この土地を、この景色を守りたいという気持ちが芽生えて、農薬不使用にこだわるようになりました。」


農園のある場所から森に入り、崖をおりた場所

無農薬栽培のコツは土地の性質を生かすこと

とはいえ九州で無農薬農家はかなり大変だそうで、「他の人にはなかなかお勧めできないです」と苦笑していました。
現在は無農薬で育てられるものを栄養価の面を考え路地で栽培していますが、九州の温暖な気候は虫が発生しやすく、無農薬の路地栽培には不利。

そんな中で、工夫したのは、栽培作物の選定でした。
現在はもちろん、今後の気候に対応できるものを中心に、
さつまいも(土にもぐっているため台風の影響を受けにくい、かつ高温にも耐えられる)やビーツやモリンガ(ビーツ自身が寒さにつよい、地中海原産のため気温がある程度高くても収穫できる)などを栽培しています。
「効率も考えていかないといけないですが、ハウスだと設備費用もかかるし、石油を燃やして温度を保つため、そういったことは極力したくないなと思ってます。」と語っていました。

加工商品の製造について

手探りでの挑戦

栽培のほかにも、配送コスト高騰の影響を考慮しメール便で送れる製品作りに注力しているそうです。
ビーツやモリンガなどは、乾燥機や粉末機での加工により、ネット販売や輸送に適した商品になります。
しかしながら、国内製造の事例が少なく手探りに近い状態でのスタートだったそうです。
「ビーツは糖分が高いので粉末化が難しいんですよ。スライスの厚さや乾燥時間を何度も試行錯誤して、最終的に今の方法にたどり着きました。」
と話していました。
加工品の開発には粘り強く何度も挑戦する気持ちや多くの時間が必要で、それを経て私たちの手に届くことが改めて実感できました。

加工品販売の難しさ

加工品については、次のようにも語っていました。
「農家にとって加工品の販売は、廃棄する食材を減らすことができ、美味しいものをお届けし喜んでもらえるというメリットがありますが、かなりハードルの高いことだと感じています。」
現在、加工品の販売には特定の消毒設備が必要で個人の農家がそれを揃えるのは難しいそう。
「例えば、梅を瓶詰めしてシロップとして売ろうとすると衛生的な基準を満たした設備が必要になります。家庭用の設備ではトイレや手洗い場などの空間分けなども厳密に行なわなければならず、非常に手間がかかる部分です。」
と話していました。

手作りのおいしさを実感!

ご好意で、スイーツとドリンクを頂きました✨

スイーツ:スイートポテト  ドリンク:梅蜜スカッシュ

梅蜜スカッシュは梅の香りと酸味が爽やかで、飲んだ瞬間に声が出るほど美味しかったです。
スイートポテトも素材の甘みが十分感じられて、さつまいもらしさを楽しめるスイーツに仕上がっていました💓

実はこの梅蜜スカッシュは農園で採れた梅を使ってお父様が作っているもので、スイートポテトもお母様が砂糖や添加物の不使用にこだわって作られているそうです。
(スイートポテトはご近所のお店でも販売されています。)

ご家族皆さんが体に良いもの作りにこだわっていることはもちろん、何より“自分達が食を楽しみにしている”ということが、とても素敵だなと感じました。

生産者さんの情報や商品はこちらからご覧いただけます!👇


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