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【第5回】ジョン・リー・フッカー/シングス

私は常々3つの単語が並んだ名前ってカッコいいなと思っている。「ミッシェル・ガン・エレファント」「ジョン・F・ケネディ」「ジャン・ピエール・ポルナレフ」など。
なので最初「ジョン・リー・フッカー」という名前を聴いたときは「なんてイカした名前だろう、さぞかしカッコいいブルースを奏でるのだろう」と、期待に胸を膨らませたものだ。
そして彼のオススメの名盤を調べてあがってくるのが「シングス」というLP。マニアの間ではレコード番号から「キング727」という愛称で呼ばれているらしい。
「ジョン・リー・フッカーのキング727ありますか?」なんてレコード屋で言ってみたいものだ。
幻の名盤なんじゃないかと思っていたのだが、意外にあっさり某大型レコード店で見つかる。お値段も確か¥1,800とかそんなに高値でもないし。あっさりしすぎて「これニセモノなんじゃないか?」と思ったほどだ。
「ジョン・リー・フッカーのキング727ありますか?」とは言ってみたいが、流石に「このキング727はホンモノですか?」なんてカッコ悪くて言えたもんじゃない。意を決した私はニセモノの恐れのあるキング727を購入し、期待と不安の中家路についたのだ。
そして最初に聴いたときの感想は「なんじゃこれは?」だった。なんか音がくぐもってるし、雰囲気が異常に暗い。たまにジョン様の悪魔のような唸り声が聴こえてきて気味が悪かった。デモテープとか海賊盤とかそんな感じ。しかもなぜか別人の「アール・フッカー」の曲が4曲も入ってるし(従兄らしい、まあ従兄なら良いってものでもないけど)。。「やっぱりニセモノだったんじゃないか?」と思ったほどだ。
あれから縁あってジョン様のLPを何枚か聴くことができた。なるほど今では不気味さとか生々しさとか、ジョン様の魅力がどっぷりと堪能できる名盤なのかもなと、やっと感じることができるようになってきている。
ただやっぱり最初に聴くにはオススメしない。ジョン様を最初に聴くなら「ブギー・チレン」とか「ブーン・ブーン」とかのヒット曲を聴けるものや、マニアにはウケがよろしくないらしいけど、ヴィー・ジェイ時代なんかも聴きやすくて良いように思う。
しかしジョン様の唸り声、これだけは未だに慣れない。。喫茶店のBGMとかで絶対に流しちゃいけない。

ジョン様の
唸り声聴き
ブル(ース)っちゃう

季語はブルース。

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