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【第16回】リトル・ウォルター/ザ・ベスト・オブ・リトル・ウォルター

私はマディ・ファミリーを気に入っていろいろ買い漁って聴いているけれど、私の中でマディ・ファミリーと聞いてまず1番に思い浮かぶ人はこの「リトル・ウォルター」になる。
映画「キャデラック・レコード」ではマディの弟分として、ものすごく破天荒なキャラで描かれていた。実際喧嘩の傷が元で亡くなったと言うし、「ザ・ベスト・オブ・リトル・ウォルター」のジャケットにも古傷の跡と思われるものがはっきりと写っている。
平和主義の私は人生で殴り合いの喧嘩なんてしたことがないので、できればこういうおっかない人には近づきたくない、と言うのが正直なところだ。なんか理不尽なことでイチャモンをつけられそうだもん。
でも彼の音楽となるとそれはまた別の話で、そんなおっかない人のLPなんか聴きたくもない、とはならない。彼の音楽はそれはそれでとてもカッコいいと思うし、「ザ・ベスト・オブ・リトル・ウォルター」も思い出せば引っ張り出しては聴いているお気に入りのLPである。
このLPには軽快なノリのいい曲が多く収録されていて、他のマディ・ファミリーのブルースとはまた違った雰囲気が楽しめる。R&Bのヒットチャートにあがった曲が多いというので、ジャンル的にはR&Bに近いのかもしれないね。それでなのかな、自分は初期ローリング・ストーンズに近い気がした。ローリング・ストーンズがマディ・ウォーターズ好きだったのは有名だけれど、リトル氏のことも好きだったのかもしれないね(私が知らないだけかもしれないが)。なのでローリング・ストーンズ好きな方もこのLPを楽しめるんじゃないかと思う。
それからリトル氏ってアンプリファイド奏法(ハープとマイクを手で包み込んでアンプから音を出す奏法)の使い手だったらしいのだけれど、この人の迫力あるハープの音ってこの奏法による音なのかな。この人のハープはとても迫力あるので、これも一聴の価値ありである。これは以前書かせていただいたマディのベスト盤でも堪能できるので興味のある方はそちらも是非。
最後にこれは完全に私の先入観のせいかもしれないけれど、このLPを聴いてると、リトル氏がなんかスゴく小生意気な感じに聴こえてくる。人を小馬鹿にした感じとでも言おうか。この人の場合はそれがまた粋で、それもまたこのLPの魅力だと思うので、小馬鹿にされたいちょっとMな方にもオススメできる。スゴいMの方はそこまで期待しないように。ちなみに私はちょっとSなのでそこにはそこまで魅力は感じません。

ハープ吹く
リトルのブルース
ハートフル

季語はブルース。

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