【第18回】ロバート・ジュニア・ロックウッド/ステディ・ローリン・マン
最初このLPのジャケットを見たとき、非常に失礼ながらなんてかわいいおじさんなんだろうと思ってしまった。禿げ上がった頭に空を見つめるつぶらな瞳、テッカテカに光るお肌。アメリカ映画のポリスマン役がスゴい似合いそう。このLP自体はブルースを聴き始めて間もない頃に見つけてはいたんだけど、知識不足だったこともあり聴いてみようとは全く思わなかった。
後に義理とはいえ、あのロバート・ジョンソンの息子だと聞いてビックリした。そのJRだったのね。実際にはロバジョンとは4歳程しか違わなかったらしいので、兄弟みたいな感覚だったんじゃないかと想像している。ロバジョンはかなりの歳上好きのようだ。
これはいつか聴かねばと思い直したのだが、ある時某大型レコード店で「5枚買うと20%OFF」という売り文句にノセられて購入した。おかげでこのときうちには積みレー(買って聴かずに積んだ状態のレコードのこと、私が勝手にそう言っているだけ)が10枚以上溜まってしまうことになった。
この積みレーが増えていくという状況、なんとも不思議な感覚である。聴きたいレコードがたくさん控えているというのは、とても幸せを感じる反面、早く聴かねばというよくわからない強迫観念にかられてしまうのだ。別にレコードたちがプレッシャーをかけてくるわけじゃないのにね。
さて、LPの内容についてはロバジョンの曲のカバーもいくつか入っていて、イメージとしてはロバジョンを、バンド編成で表現してみましたという感じ。ロバジョンについては以前書かせていただいたときに、ディズニーランドに流れてそうと言ったけれど、このLPも終始穏やかな雰囲気である。またロックウッド氏の歌声がなんか間の抜けた感じがして、これがまた穏やかな雰囲気を助長していて良い。そんな訳でこのLPはとてもリラックスした気持ちで聴ける。
後ギターの音がとてもはっきり聴こえる気がする。とても丁寧に演奏しているからなのかな。この人は長い期間バック・ミュージシャンとしてやっていたみたいだから、いぶし銀の演奏なのかもしれないね。さらに言うとこのLPで演奏している「ジ・エイシズ」という人たちも、結構有名なバック・ミュージシャンらしいので、かなり聴き応えのある演奏なのかもしれない。私にはその辺はよく分からないけれど。
という訳で、ジャケットではロックウッド氏のつぶらな瞳に癒やされ、聴けばその穏やかな演奏に癒やされる、まるでヒーリング・ミュージックのようである。
穏やかに
ブルース旅行へ
ジェイ・アール(JR)
季語はブルース。
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