名探偵津田はこの世界から逃げ出したい
『水曜日のダウンタウン』の「名探偵津田第3話 怪盗vs名探偵~狙われた白鳥の歌~」、面白かったですね。
さて、皆さんは、事件に巻き込まれた津田さんがなぜあんなにも自分がいる世界の構造のことを気にするのか、不思議に思いませんでしたか?
前回もそれを考えすぎて混乱した津田さんが頭をかきむしる場面がありましたが、今回はさらにそれが進んで、「1の世界」「2の世界」という用語も飛び出していました。この企画で津田さんがなぜそんなに世界の構造を気にするのか、自分なりに考えてみました。
この企画に巻き込まれた津田さんは、極度のストレスを抱えています。ストレスを抱えている人間は、その状況から逃げ出したいという気持ちになるものです。何が何でもここから逃げ出したい。誰でも人生で一度や二度はそう思ったことがあるでしょう。
でも、普通に考えて、私たちはこの世界から逃げることはできません。どうやらこの世界やこの現実は1つしかないものだからです。でも、名探偵津田にとってはその限りではありません。津田さんが巻き込まれた世界は、津田さんにとっては「外側が見えている世界」です。この世界ではないあっちの世界があることが名探偵津田だけにはわかっている。だから、逃げようと思えば逃げられるということがわかっているのに、どうしてもそれができない。そこにストレスの源があります。
だからこそ、津田さんは必然的に今いる世界の構造のことばかりを考えてしまうことになります。逃げたい、逃げられない、でも逃げられるはずだ、でも逃げられない――津田さんはあの世界で唯一、世界の外側を認識できる特殊な存在者だからこそ、世界の外側に出られないことを人一倍嘆き悲しみ、そのことばかりを考えてしまうのです。
名探偵津田はあの世界から逃げられないことに絶望しているのではなく、あの世界から(構造上は)逃げられるのに(現実的には)逃げられないことに絶望しているのです。
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